【第02回】「GEAR戦士電童」20周年記念連載

電童,サンライズ,矢立文庫,ナイトオーガ,騎士凰牙,20周年,スーパーミニプラ

← 前 | 目次次 →


今年の10月で、20周年を迎えるTVアニメ『GEAR戦士電童』は、スーパーミニプラの発売や、オリジナルグッズなども販売する展示イベントなどが予定されております。

その20周年を盛り上げるべく、矢立文庫では、スペシャル企画として関係者にインタビューなどを行っていきます。

第2回は、前回に続いて福田己津央総監督と当時サンライズでプロデューサーを担当していた古里尚丈さんです。

◆第2回


――電童のメカデザインに関しては、主にバンダイさんで進められたという感じでしょうか?

古里 そうですね。野中さんのイメージスケッチを基に、以降は阿久津さんが企画に合わせて修正していっていますが、バンダイさんの商品展開もあるので、おおむねバンダイさん主導という感じでしょうか。

福田 電童は羽根や出っ張ったパーツがないので、カッコよくみせるのが非常に難しかったですね。描き様で、どうにかカッコよくならないかと色々やっていました。ほんと色々と勉強させてもらいました(苦笑)。バックパック部分などは、阿久津くんがサイバーフォーミュラっぽくデザインしてきたので、じゃあサイバーフォーミュラっぽく演出してやろうと(笑)。

古里 設計上、電池ボックスがバックパックとなった時に、阿久津くんとしてはただデザインするだけでは面白くないからとアイデアを入れてきたんでしょう。『勇者シリーズ』をやってた時にメカデザイナーの大河原邦男さんも言ってましたが、「使えるものなら使ってみろ」と言わんばかりにあちこちにアイデアを仕込んでるそうです。使ってもらえた時は気づいてもらえてうれしいけど、使われなかった時は気づかれなかったので、ちょっと悲しいみたいなことは言ってました。

福田 最初ハイパーデンドーデンチも、この玩具は電池で動きますよという皮肉でしたけどね(苦笑)。でも、そういうひねくれたネタの方がオタクには引っ掛かるんですよね。こちらは、カッコイイだろと思ってやってるわけではないですから(笑)。『ガンダムSEED』だって、乾電池じゃなくてバッテリーにしてますからね。

古里 やはり、電童のデザインに関しては、野中さんのこだわりがかなり強いんじゃないですかね。

福田 野中さんは、結構王道なデザインをされる人ですよね。でも、そんな中でも普通のデザイナーがやらないようなアイデアを出してきたりする。そういう意味では、子供向けのデザインには向いている人なのかなと思いますよ。必殺技の時に文字を出してくれって言ってきたのも野中さんですよね。

古里 おそらく野中さんの中に、子供向けはこうするというような論法があるのでしょうね。セリフを聴いただけでは印象に残らないから、文字を出すとか、とにかくたくさんの情報を出して伝えるみたいな、です。

福田 今までサンライズの演出でそんなことやったことがなかったから、すごい抵抗があったんけど、ある層には受けてたみたいですね。

――電童は最初、しゃべる想定だったとか

古里 当初の企画から軌道修正していってギリギリまでかかってまとめたので、実は1話のアフレコ台本には電童自身のセリフが残っているんですよ。最初は機械生命体みたいなイメージでしたので、当然しゃべるキャラでした。実はギリギリまでしゃべる想定で、声も仮決まりしていたんですよ。誰とは言えませんが、彼に会った時には「何で出してくれなかったんですか?」と今でも言われます(苦笑)。

福田 やはりリアリティがなくなってしまうんですよ。リアリティがないと、ロボットにも説得力がでない。つまり電童自体が嘘っぽくなってしまうんです。電童を巨大ロボットにしたこともあり、やっぱり最後の最後でやはりしゃべらせるのをやめようと。

――データウェポンというのは、どのような中からできたアイデアでしたか?

古里 バンダイさんからサンライズに提案があった時にはすでにありましたね。サンライズに持ち込みがある前にバンダイさんとビークラフトさんで何度かやり取りをしていたのですが、その中のアイデアで出てきていました。最初に阿久津くんが描いたデザインでは、電童の敵となる4人衆みたいなのがいて、それを倒して武器を奪っていくという感じでしたが、その次の段階では動物モチーフの武器になっていました。

電童,サンライズ,矢立文庫,ナイトオーガ,20周年,スーパーミニプラ
▲「電子の聖獣」と呼ばれ、GEARの武装にもなるデータウェポン。電童、凰牙共に装備可能なため、当初はこのデータウェポンの争奪戦が主軸となる。

古里 とにかくプロデューサーとしては、商品点数が少ないので増やしてほしいというのはありましたので、種類をたくさん出せるデータウェポンはありがたかったのですが、動物の頭だけなので子供たちが感情移入できず、買ってもらえるか非常に不安でした。

電童,サンライズ,矢立文庫,ナイトオーガ,20周年,スーパーミニプラ
▲ユニコーンドリルを装備した電童。GEARは、データウェポンをインストールすることで、武器として装備することができる。

古里 後からフィギュア(メテオファイル)などで出していただけましたが、商品にはならなくてもいいからと胴体もデザインして登場させました。それから、戦闘時以外にも主人公たちとのシーンが作れるように両澤さんやライター陣からアイデアを出してもらって、エイリアス状態という設定も作りました。これで、ようやくデータウェポンもキャラクターとして子供たちに感情移入してもらえるかなと。

電童,サンライズ,矢立文庫,ナイトオーガ,20周年,スーパーミニプラ
▲平穏時のデータウェポンは、実体と伴わないエイリアスと呼ばれる小さな姿で銀河や北斗と友情を深める。

古里 そうこうしているうちに、バンダイさんの方から敵キャラも出しますと凰牙が出てきました。そういうこともあって、最初は電童や凰牙よりデータウェポンの方が大切な作りになっているんです。でも、番組の開始がずれて、2クールかけてデータウェポンを集めていく話だったのに、1クールで全部集めることになってしまった(苦笑)。

電童,サンライズ,矢立文庫,ナイトオーガ,20周年,スーパーミニプラ
▲データウェポンは、ギアコマンダーを使ってファイルロードすることで実体化、GEARとともに戦うことができる。

福田 放送がずれて、構成を変えなきゃいけなくなったのは、よく覚えてます(苦笑)。玩具がメインの作品なのに、クリスマス商戦期に商品が全部登場してませんというのは、ありえないので、当然構成は変えました。

古里 それで、2クール目の商品として、ユニコーン、レオ、ドラゴンがそれぞれパワーアップして登場することになったんです。今度は頭だけではなく、全身が変形して武器になるという商品です。当初は、銀河、北斗、アルテアのデータウェポンの1体ずつがパワーアップするという想定でした。しかし、最終的に商品が1点だけということになり、ユニコーンとレオを合体させた超獣王輝刃になったんです。もったいないので、ユニコーンとレオのパワーアップ版は、小説版で使いました。

福田 玩具がメインのシリーズなので、玩具の発売計画に合わせて、構成が変わるというのはよくある話で、サンライズでも昔からそうだから(苦笑)。

電童,サンライズ,矢立文庫,ナイトオーガ,20周年,スーパーミニプラ
▲ドラゴンフレアがパワーアップした姿で、頭部だけでなく全身が変形して武器になる。輝刃が登場することになり、本編未登場になった。

(次回へつづく)


← 前目次次 →


YouTubeにて第1話配信中!

関連トピックス


【第88話】ベルコ☆トラベル ▶

◀ 【第87話】ベルコ☆トラベル

カテゴリ