【第03回】「GEAR戦士電童」20周年記念連載

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今年の10月で、20周年を迎えるTVアニメ『GEAR戦士電童』は、スーパーミニプラの発売や、オリジナルグッズなども販売する展示イベントなどが予定されております。

その20周年を盛り上げるべく、矢立文庫では、スペシャル企画として関係者にインタビューなどを行っていきます。

第3回は、前回に続いて福田己津央総監督と当時サンライズでプロデューサーを担当していた古里尚丈さんです。今回でお二人の対談は最後となりますので、過去2回と合わせて、どうぞご覧ください。

◆第3回


――キャラクターやシーンで思い出深いのは?

福田 お気に入りというか、もう覚えているのは何ですかという感じになりますが、最終回が一番印象に残ってますね。ちゃんと全部自分で見て、チェックして出していますから。もうやけくそだったけど、詰め込めるだけ詰め込みましたみたいな感じで作ってましたね。1話は、そもそも自分でコンテ描かなかったのでそこまで印象には残ってないです。

 キャラクターに関しては、特に印象に残ってないんですよね。このシーンのこのキャラというのが出てこない。キャラが濃くないというか、全体的に薄味という感じだったかなと思ってます。でも、ゼロは嫌いでした。なんでハゲなんだか、いまだにわからない(苦笑)。

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▲ガルファ皇帝のバックアップとして存在するゼロ。人間の姿は、スキンヘッドというインパクトのある姿だった。

古里 自分はまず、全体として気にいらないキャラはいないです。嫌いなキャラはそもそも登場させません。アイデアで出てきても「福田さん、これやめましょう」って止めますから。好きなキャラというと乙女、あとあまり使われなかったけど犬のジュピターもかわいかったですね。

 C-DRiVEに関しては、好きとか嫌いというか完全に実験ですね。もともとは久行くんが勝手に描いてきたキャラでしたが、なんとなくアイドルグループにすれば形になるかと思って使いました。玩具スポンサー以外に、ビクターエンタテインメントさんが音楽メーカーとして参加していましたので、音楽関係の商品を作りたいという思いもあって、久行くんが描いてきた3人組少女をアイドルとして歌を歌わせてCD化などやれれば有りなのかもと考えましたね。しかし、今振り返ると自分の力不足で、他との連動商品などやれていませんでしたね。当然、玩具を売るというのが第一命題なので、どうしてもブレーキを踏んでいたんだと思います。でも、C-DRiVE が『舞‐HiME』に繋がったので、自分的にはよかったかなと思います。電童ありがとう。福田さん、好きなことやらせてくれてありがとうという感じです。

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▲銀河が大ファンのアイドルグループのC-DRiVE。第2話の冒頭アミューズメントパーク内で流れている曲は彼女たちの曲で、銀河の部屋にはポスターも貼られている。

――当時は、規制なども厳しかったと思いますが…

福田 まぁ、あの時期の作品なので、いろいろとありましたよ(苦笑)。最初に納得のいかなかったのが、1話で子供たちが機獣から逃げているシーンですね。「横断歩道のないところを渡らないでくだい」と言われました。緊急事態だから、自分の命を守ることが最優先だろうという状況なのに、なぜ横断歩道がなければ渡っちゃいけないのかと思いながら、背景に横断歩道描かされましたから。理不尽この上ないですよ。変な規制がいっぱいありましたね。水着はいいけど、へそはダメとか(笑)。

古里 ベガの胸の谷間の線を消せとか、C-DRiVEの女の子のへそを消せとかありましたね。

 チェックが入ったので、消したら久行くんから「俺、カエル描いた覚えないからね」って、しばらく言われてましたから(苦笑)。

福田 子供向けって縛りがあって、18時台の作品だからっていうのはわかりますが、クレームを恐れて、何も挑戦しないという姿勢は嫌でした。作品を作る意気込みみたいなものが電童の時には薄れていましたね。だから、どこにも挑めない中途半端さが残ってしまったかなと。別に裸に挑もうとは思ってないですよ(笑)。ただ、作りとしては非常にモチベーションを削られる規制が多かったという気がします。

――敵が機械帝国なのは?

福田 やはり、ロボットがいるということにリアリティがないといけないので、宇宙人が攻めてくるのはアウト、なんとか帝国みたいなのもアウトとしていくと結局選択肢があまりないんですよ。しかし、抽象的な存在ではわかりにくいので、はっきりと存在している敵がいいと…結局は消去法ですね。

古里 『ガンダム』が人間対人間の戦争で、『イデオン』では親子間の戦いみたいなものがあり、『マクロス』は大きな人、もう『エヴァンゲリオン』に至っては自分の心と戦うようなアニメになっていました。そういう流れの中で考えた時に、あの時代(1999年時)巨大ロボットアニメにおいて、戦うべき敵がいないなと思いました。

 ですから最初に作った企画では、いわゆる人間はほとんど出てこない『マッドマックス』的ホコリの舞うファンタジーな世界で、ロボットに人間みたいな階級制度があるというだけにして、明確に敵というはいませんでした。福田さんに入ってもらい、子供たちの見知った現代を使った物語が良いと思う!ということで変更しましたが、僕の方には敵のアイデアはなかったですね。

 でも、福田さんから敵はコンピュータというアイデアが出てきた時に、わたしは敵を作りにくい時代だって考えていたので、聞いて腑に落ちました。ガルファも惑星を良くしようとして作られたコンピュータ。自然をコントロールして人間の住みやすいようにしていくけど、ある時、人間が一番いらない存在なんじゃないかと自我を持って、人間が滅ぼされていくという、まぁよくあるネタではありますが、しっくりときましたね。ちなみに、ガルファって最初はアルファって言っていたと思います。アルファは始まりなので、この単語を使っていたのですが、音が敵として弱いので、濁音を入れて「ガルファ」に変更した記憶があります。

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▲ガルファの先遣隊、螺旋城の幹部たち。アブゾルート、グルメイ、ウイッターは、デザイン的にもキャラクター的にも個性ある幹部だった。

――最後にファンに向けて、一言お願いいたします。

福田 『電童』っていい意味で失敗作だと思ってるから(笑)。でも、それは商売的な失敗であって、作品的なことではない。そういう意味でも作品は面白く見れると思います。やっぱり人間、負の感情の方が強いから、ダメなところばかり覚えてるんだよね。

古里 ほんとに一言ですが、「ありがとうございます」です。覚えていてくれただけでも、ありがたです。20年も経ったら普通、忘れますから。作っていた福田監督がこんなに忘れているんですから(笑)。素直に今でもファンでいてくれて、たまに思い出してくれているだけでもありがたいです。ただ、年齢層が気になりますね。当時のターゲットを考えると今25~35歳くらいのゾーンになると思うんですけど実際どうなのか? 当時10代後半から20代だった人もいるのかな? ぜひ、ミニプラなどでアンケートをやって聞いてみたいです。

――本日は、ありがとうございました。


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