【第04回】「GEAR戦士電童」20周年記念連載

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 「スーパーミニプラ」シリーズも大好評!! ますます盛り上がる『GEAR戦士電童』20周年企画。
 今回は、電童のコンセプトデザインを手掛けた野中剛さんとメカデザインを手掛けたアストレイズの阿久津潤一さん、新谷学さんにお話を聞いていきたいと思います。

◆第4回


――まずは電童の企画の成り立ちからお聞きしたいのですが

野中 20年も経つと記憶が正確ではないかもしれませんので、あらかじめご了承ください。放送当時はバンダイさんがスポンサードするロボットアニメとしてスタートしました。当時の私は、バンダイのキャラクター玩具開発部門で管理職をしており、男児女児キャラクター全般を観る立場で働いていました。
 ある時上司から「サンライズのスタジオが空くので、何かアニメ企画を作るように」と指示を受けました。「勇者シリーズ」も終了していましたし、それに代わるようなロボット物の企画なのかなという暗黙の了解のようなものはあったかと思います。その時、提案したのが手脚のタービンがまわるロボット、電童でした。

▲1999年6月15日、野中氏によって描かれたタービンボット電童のスケッチ。すべては、このコンセプトデザインから始まった。

 「勇者シリーズ」のような変形合体ロボットとなると、どうしても「スーパー戦隊」の企画とバッティングしてしまうので、別の方向性の企画を作らなくてはなりません。当時ロボット玩具というと「変形」「合体」「光る」「鳴る」というものが主流でしたので、「モーター動力」ものをあまりやっていなかったんですね。「スーパー戦隊」でも、たまにモーター動力を使った玩具を作ることはあるのですが、その時はちょうど予定もなく、企画を進めました。結果的には2000年のクリスマス商戦時には、『タイムレンジャー』のDXブイレックスロボと丸被りしちゃうんですけど、どちらの企画も音頭をとっていたのは自分なので、気まずい部分はありましたね(苦笑)。
 自分が幼少期の頃からモーターを使ったロボット玩具は色々とあって、動くという事を起点に、他のオモチャと絡めて遊ぶのも大好きでした。なので、この企画もモーターを使うからにはいろいろなものを動かして遊びたい。手脚に回転体が付いていれば、アクロバティックな遊びもできるんじゃないかとスケッチを描いたのが最初になります。
 企画当初は電童が3980円で、500円くらいの武器を買い足していくという想定でしたので、最初は武器もただのドリルといった感じのものでした。基本的には、劇中でもやっている「疾風激走脚」のように、タービンを回転させて曲芸をやらせるロボットみたいなイメージでしたね。

阿久津 自分は、当時のことほとんど覚えていないんですよ。基本的に会社で引きこもっているだけで、新谷が打ち合わせで聞いてきた指示に従って描いていただけでしたから(苦笑)。でも、最初に野中さんが描かれた、あの横走りのスケッチを見せてもらった時には、よくこんなことを思いつくなと思いました。

▲タービンボットの機構を説明するための案図。膝を曲げて走行させるというアイデアは、この最初のスケッチからあったものでした。

新谷 では、私からお話ししますね。当時は二人ともビークラフトという会社に在籍していたのですが、そこでサンライズさんの別企画の三面図などのお手伝いをさせていただいていました。その時、サンライズの企画室さんより、新しいロボット物をやらないかとお声をかけてもらったのが最初です。当時サンライズとバンダイは合併したのに、ガンダム以外のロボット物の企画をやっていなかったので、「何かやりたいね」という話があったらしいのですが、そのタイミングでバンダイさんから野中さんの描かれたコンセプトスケッチが送られてきたということで、これを元に企画を進めて行こうという話になりました。
 監督とプロデューサーの対談の時にも出ていましたが、当初は『どろろ』のようなイメージで、武器を奪われた電童が、その武器を取り戻していく話にしようということで、それぞれの手脚に電童が持っていた武器を装備している敵という想定のロボットを阿久津に描いてもらいましたね。阿久津も非常に乗ってくれて描いてくれましたよ。

▲右脚部に電童から奪った武器を装備した敵ロボット案。この他、腕や胸に武器を装備した敵ロボットも提案された。

阿久津 そうでした。そういうノリも好きでしたからね。でも、細かいことは覚えてなくて申し訳ないです(苦笑)。

新谷 最初はサンライズの企画室で揉んで、それからバンダイさんと合流したという流れですね。しばらくして、もうちょっと子供向けにしようというような話になり、今のような形になっていったんじゃないでしょうか。1999年の夏に、三浦半島にある宿泊施設で合宿したのを覚えています。サンライズ組とバンダイ組がそこで初めて合流して、この企画をどうしようと話し合いました。そこで野中さんとも初めてお会いする形でしたよね。

阿久津 その合宿のことは、よく覚えてます。とにかく湿気が多くて、なかなかうまく絵が描けなかったんですよ。それなのに、野中さんはスラスラと絵を描いていて、スゲェ人だなと思いました。

▲電童の武器を装備した敵ロボット案。電童と同タイプのロボットではなく、異種族の機械生命体のイメージでデザインされている。

野中 監督が福田さんに決まったタイミングですかね。舞台が現代になったり、パイロットも二人になったりと方向性が急に変ったので、最初はちょっと戸惑いました。自分の中では、小学校低学年をターゲットにしていたので、戦隊ロボを卒業した子が次に手に取る商品というイメージです。もうちょっとハードな内容でもよかったかなとは思いましたけど、サンライズさんがアニメーション制作者という立場からやりたいことをやってもらった方が絶対おもしろい物ができますし、何か新しいものができればいいなとお任せしました。それに福田監督と言えば『サイバーフォーミュラ』の監督ですし、メカニックの演出については非常に楽しみにしていました。

阿久津 監督が福田さんだから、電童の背中をアスラーダっぽくしたり、ブレーキランプなんかも描いちゃってましたからね(笑)。

(つづく)


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