覇界王~ガオガイガー対ベターマン~【第29回】
《前回までのあらすじ》
無へと向かうエネルギー<トリプルゼロ>に浸食された旧GGGは、全てを破滅へ導く<覇界の眷族>となり、我々人類に牙をむく。
かろうじてマイク・サウンダース13世やスタリオンを救い出した新生GGG。
次なる脅威への対応に追われる状況下、火乃紀はカムイの豹変により不穏な状況に追い込まれていた。
そして、覇界の眷族がハワイのプナ地熱プラントと、ドバイのメガソーラー発電所に出現する。GGGグリーンとGGGブルーは戦力を分散して、これに対応するのだった。
number.05 恨-URAMI- 西暦二〇一七年(2)
3
「機動完遂要塞艦ワダツミ、分離発進!」
「続いて諜報鏡面遊撃艦 ヤマツミも発進っすわ!」
メインオーダールームに、牛山末男と山じいの声が響く。GGGオービットベースから、両ディビジョン艦が発進、地上への降下を開始したのだ。
常ならば、メインオーダールームはディビジョン艦の内部へ移動、ブランチオーダールームとして組み込まれることが多い。だが、今回はあえてオービットベースに残すことにした。
「旧GGGの連中が本気出してくるとあっちゃぁ、こっちも最初から手札使い切るわけにはいかねえからな」
阿嘉松長官が慎重そうにつぶやく。トリプルゼロに浸食された旧GGGには、まだ多くの勇者ロボが残されている。その存在をすべて確認するまで、GGGブルーもまた全戦力を投入するわけにはいかない。
「ハワイでの対処は獅子王凱に……GGGグリーンに任せて問題ない」
楊博士がつぶやきに、プリックル参謀が陽気に応える。
「モチロンだよ! この日のために開発させた新装備もあるしネ、ノープロブレムノープロブレム!」
「だが、懸念事項はドバイの方か……」
プリックルのテンションに引っ張られることもなく、楊は眼鏡の奥の瞳を不安そうに細めた。ハワイに向かったワダツミには、獅子王凱が乗り込んでいる。だが、ドバイへ降下するヤマツミに配備されたのは、月龍、日龍、翔竜という勇者ロボたちだ。
「大丈夫ですよ……みんなだって、立派な勇者なんです」
信頼を込めて断言したのは、彼らの上官たる機動部隊隊長の天海護だ。相棒の戒道幾巳は負傷入院中であるため、ガオガイゴーにダイブできない。そのため、予備戦力として残留することになったのだが、出動した部下──というよりも仲間たちへの信頼は深かった。
楊は護の言葉に同意した。
「そうだな……我らの最強勇者ロボ軍団を信じよう」
だが、その表情は安堵からはほど遠い。無論、楊の気持ちは護にも理解できる。なにしろ、これから戦うことになる相手もまた、最強勇者ロボ軍団なのだ。そして指揮官の資質も、勇者たちの練度も、GGGブルーを上回っている可能性が高い。
(それでも負けられない…絶対に……)
握りしめた手のひらが汗ばんでいる。護は、自分の不安を面に出すまいと必死に平静を保とうとしたが、その身体は小刻みに震えていた。
「……じゃあ、地熱プラントに現れた覇界の眷族は一体だけなのか?」
凱が、ワダツミのミラーカタパルトにセットされたファントムガオーのコクピットから問いかけた。ハワイで観測されたZ0シミラーはプナ地区の地熱プラント周辺に集中している。覇界の眷族が、地下に設置されたプラントの巨大構造物を狙っていることは明白だ。
オービットベースで野崎や平田といった博士たちが出した報告結果を、メインオーダールームにいるアルエットが伝える。
『ええ、降下中のワダツミが観測したデータと、サテライトサーチで捉えた情報を解析した結果、そう結論が出たわ。小型の反応も無数にあるけど、そっちはゼロロボと推定されてる』
電磁場異常現象が終息したため、軌道上とでも交信できるのは好条件といえる。
『一体ということは陽動の可能性もありえるわ。確率としても高い。余力を残して最短時間で処理したら、すぐにドバイの応援に駆けつけた方がいいと思う』
オペレーターという立場でその判断を口にしてしまったのは、アルエットが天才児であるが故だっただろう。豊かな才能と幼い未熟さを兼ね備えた少女に、凱は応える。
「ああ、その可能性も視野に入れよう。だが、そうやって油断させることも、向こうの策かもしれない。実際に確認できるまで、その後の判断は保留だ」
豊かな経験を持った凱の言葉に、アルエットは顔を赤くした。
『ふぁうっ、ごめんなさい。私はあくまで効率的に考えて……』
「いいんだ。なにしろGGGグリーンは俺ひとりの組織だからな。現場判断が遅れることもありえる。何か気づいたら、どんどん言ってくれ」
凱が明るい声を出したところで、警報が鳴り響いた。ファントムガオーのコクピットとメインオーダールーム、双方のモニターに表示されるサテライトサーチからの緊急情報。それは地熱プラントから観測される発熱が飛躍的に増大したという警告だった。
『まずいわ、凱! 地熱プラントがゼロロボ化した!』
「ああ、このまま先行する!」
そう言うと同時に、凱は遠隔操作でワダツミのミラーカタパルトを起動する。ミラー粒子にコーティングされたファントムガオーは電磁誘導によって加速され、ワダツミ前方へ射出された。すでに対地高度は一万メートルを割っている。コクピットモニターに地熱プラントの地上部を視認すると、凱は素手のままの左手の甲にGの紋章を光らせ、胸の前にその拳をかざし、祈りを込めるかのようにボイスコマンドをささやいた。
「フュージョン……」
凱の肉体をシステムの一部として組み込みつつ、ファントムガオーはメカノイド・ガオファーへと変形する。
『凱、地熱プラントの管理部に確認がとれたわ! 施設の職員は全員退避を完了してる!』
「わかった……ガオーマシンッ!」
アルエットの言葉にうなずいた凱は、ワダツミから三機のガオーマシンを射出させた。ガオファーは、そのうちの一機、ドリルガオーⅡに相対速度をあわせる。左右に分離、ガオファーの両腕に装着されるドリル重戦車。ドリルガオー装着モードとなったガオファーは、降下の勢いもそのままに、高速回転するドリルを以って地熱プラントの地上部構造物を突き破った。
『地下異常発熱部とZ0シミラー集積ポイントの一致を確認、ルートを送るわ!』
地熱プラントの設計データをもとに、アルエットは目標地点まで到達するための最短ルートを割り出し、ガオファーに転送する。もちろん、誘爆を引き起こすような危険ブロックは回避しつつ、効率よく潜行する道筋になっている。
現在のGGGグリーンは、たった一人の長官代理兼機動部隊隊長のみで構成されている。勿論、GGGブルーから協力支援を受けた組織ではあるが、協力者の一人であるフランス人形のような隊員はきわめて心強い存在だった。未だ十代の天才少女アルエットのサポートにより、ガオファーは順調に地中を掘り進んでいった。
プナ地熱発電所はインビジブル・バーストの直前、二〇〇九年に稼働開始した施設である。地下一〇〇〇メートルに高温岩体発電プラントを建造、熱水の人工的な滞留地層をつくることで発電している。異常電磁場で各地の発電施設が損傷した際、強力なシールドで耐えきったこの施設が、太平洋上に点在する各島嶼国家に海底ケーブルで電力を供給したのだ。
いわば、全地球規模での災厄からの復興を象徴する存在とも言える。だが、覇界の眷族がここを狙ったのは、象徴的な意味合いからではないだろう。ウルルの時と同じく、一枚岩や大陸縦断列車<ザ・ガン>のような巨大構造物を、ゼロロボの素体とする目的である可能性が高い。
(だが、巨大構造物なら他にいくらでも存在する。わざわざ地下施設を狙ったのは何故だ? ごく一部とはいえ、トリプルゼロという巨大な宇宙エネルギーを手に入れた彼らが、地球のエネルギー施設をあえて必要とする理由はないはず……)
凱がそんなことを考えているうちに、ドリルガオーⅡの頑強な掘削機はガオファーを地底施設へと導き終えた。否、ガオファーが到達したのは地底施設ではない。そこは巨大な地底空洞だった。
「なんだ、この空間は!」
『地熱発電所のデータにそんな空間はないわ! 気をつけて!』
アルエットが注意をうながす。ガオファーが掘削してきたトンネルによって、軌道上のオービットベースとも回線はつながっていた。
その空間がいかに形成されたものかさだかではないが、何者の手によるものかは明白だ。空間の底部中央には、二体の巨大ロボが立っていたからだ。五十メートルほどの鉛色の巨体と、その半分ほどのオレンジ色の機体。小柄な方の姿に、凱は見覚えがあった。
「ゴルディ……お前だったのか」
「おうよ、待ちくたびれたぜ。いつもは呼び出されるのを待ってるとこだが、今日は来てくれるのを待ちわびてたってわけだ!」
火麻激参謀の口調そっくりなその言葉は、凱がよく知っているゴルディーマーグのそれと何ら変わってはいなかった。覇界の眷族とは、そういうものだ。人間であろうとAIであろうと、人格や知性がそのままにただ倫理観のみが変質している。
「ゴルディ、ここで何をしようとしている!」
「もう知ってんだろ? 俺たちが知的生命体を殲滅するために動いてるってよ。そのためにまず……最大の邪魔者を排除しようってわけよっ!」
その言葉と同時に、覇界ゴルディーマーグは突進してきた。鉛色の巨人は動かない。だが、覇界マイクの先例がある。たとえゴルディ単体であろうと、トリプルゼロによって強化されたそのパワーを、侮ることはできない。小柄な方といってもゴルディはガオファーよりも巨体だ。その質量を乗せてつかみかかってきたオレンジ色の剛腕を、両腕に装備された回転ドリルで弾く。
「へっ、かゆいもんだぜ!」
本来のゴルディの装甲ならば、その一撃で破砕できていたかもしれない。だが、トリプルゼロによる浸食で強化されたのか、平然と耐えた。そして、再度の突進。剛力でドリルガオーⅡを掻き分け、ガオファーを抱え込む。
「おらっ、このまま潰してやる!」
細身の機体を、頑強な腕が背骨折りの要領で粉砕しようとする。だが、ゴルディの両腕は空を切るように、ガオファーをすり抜けた。
すでにそこにガオファーの姿はなかった。両腕から重戦車を分離したガオファーは、特殊装備である光学迷彩・ファントムカモフラージュを駆使して、影分身のように遠方へ回避していたのである。
凱は叫んだ。
「ファイナルフュージョン、承認っ!」
ガオファーからのFF要請シグナルは承認コードとともに、メインオーダールームに到達した。
「ウイ!」
GGGグリーン長官兼機動部隊隊長の承認に、アルエットが応える。
この時、すでにドバイにおける覇界の眷族とGGGブルー機動部隊の交戦も苛烈を極めており、阿嘉松をはじめとする隊員たちはその対応に追われていたが、アルエットは淡々と、そして華麗に、FFプログラム用コンソールを前に、バレリーナのように舞った。
「ファイナルフュージョン、プログラム・ドライブ!」
全身の回転運動、その遠心力がアルエットの右拳に乗せられ、保護プラスティックを叩き押し込み、ドライブキーを押し込む。起動されたFFプログラムが、地底のガオファーへと転送された!
「よっしゃあっ! ファイナルフュージョンッ!!」
ガオファーの腰部から噴出される電磁煙幕が、ゴルディの行く手を阻む。その隙に胸部リングジェネレイターから光学投映されるプログラムリングのレール。バーコードリーダーを読み込むように、ドリルガオーⅡがそのレール上を滑走する。掘削したトンネルから地底空洞に突入してきたライナーガオーⅡとステルスガオーⅢも、それぞれにリングをスキャン。ガオファー、ドリルガオーⅡとともにファイナルフュージョンが行われた。
「ちいっ、間に合なかったか!」
電磁煙幕のなかでもがきながら、ゴルディは合体阻止に失敗したことを悟った。体勢を立て直そうと飛び退いた彼の眼前で煙幕が吹き飛んだ瞬間、くろがねの巨神は誕生した。
「ガオッファイッガーッ!!」
『ディバイディングドライバー、キットナンバー02……イミッション!』
ファイナルフュージョンの完了を待たずに、ワダツミのミラーカタパルトから二つに分かれたパーツが射出されていた。それらは宙で一つになって、地底へのトンネルを突き進み、ガオファイガー完成と同時に現着し、その左腕部に見事に装着され、ハイパーツールとなった!
「ディバイディング!ドライバーーーーッ!」
ゴルディが次なる行動に打って出るよりも早く、ガオファイガーはドライバーの先端部を突き立てた。足元に向かって、ではない。頭上──地底空洞の天井部だ。レプリションフィールドとアレスティングフィールドの相互作用が巨大な空間を発生させ、それは大穴となって地底空洞に陽光をもたらした。
原種大戦時、北海道苫小牧に建設された粒子加速器イゾルデがゾンダーメタルプラントにされかけたことがある。その時、地下のイゾルデを攻略するため、ガオガイガーは地底空間から頭上に向かって、ディバイディングドライバーを使用したのだ。今また、空間湾曲ツールが、地底の陰謀を白日の下にさらしたのである。
「へっ、別にかまわねぇぜ。暗がりでコソコソ待ち続けるのに飽き飽きしてたとこだ」
覇界ゴルディーマーグがうそぶく。もちろん、覇界の眷族と化した旧GGGも承知の上であっただろう。原種大戦で蓄積された戦闘データは彼らも持っているのだから。
「教えてやるぜ、ガオファイガ-。俺の任務は……地球人類抹殺のために邪魔な存在、つまりお前を排除することなんだ」
「! それが……大河長官やみんなの判断なのか」
「それだけ、お前のことを重要視してるってわけさ。凱機動隊長さんよ! ガオファイガーさえ排除しちまえば、残るは小僧っ子たちだけ。大した邪魔にはならねえってよ」
「………」
凱は無言で奥歯を噛みしめた。もともとゴルディの超AIは品行方正な人格者というわけではない。だが、その敵意が自分に向けられた時、これほど毒々しい存在に感じられてしまうとは……。
「ゴルディ、お前は間違っている。護や新しい勇者たちは小僧っ子なんかじゃない。俺たちがいない間、地球を護っていてくれた立派な勇者たちだ。そして……ガオファイガーは、ここで排除されたりはしない!」
凱はそう叫びつつも、同時にメインオーダールームに暗号化されたコードを送っていた。コンソールでそれを受信したアルエットが緊張する。
「凱……あれの封印を解くのね!」
手早くデコードしたコードを送り込み、新型装備のコンソールを起動させる。アルエットのその行動は、翔竜たちの支援に追われていた阿嘉松の目も釘付けにした。
「おおっ、まさか本当に使う日がくるとはな! えーいちくしょうっ、そっちも俺が承認したかったぜッ」
その様子に、楊も眼を見張る。
「あれはGGGグリーンのために開発したものだ。向こうの長官代理殿に任せるのだな」
「わかってるよおぉッ」
オービットベースでのそんな会話を知るよしもなく、凱は叫んだ。
「いますぐ来い、ダブルマーグッ!」
ワダツミの艦底部ハッチが開放され、内部に格納されていた機体が飛び降りる。すでに眼下の大地には大穴が穿たれ、突入を妨げるものはない。ダブルマーグと呼ばれたオレンジ色のツールロボは、地底空洞の底に着地した。ガオファイガーの隣に立ち、単眼のようなカメラアイを向ける。
「………」
言葉を発することはない。その機体に積まれているのは、プライヤーズやガンマシンのような簡易AIだからだ。竜シリーズのような育成型超AIや、ポルコートのような人格移植型超AIが間に合わなかったためだが、それで凱の信頼が揺らぐことはない。だが、覇界ゴルディーマーグには異なる感慨があるようだ。
「ほう、残してきた俺のボディを……そんなガラクタに与えちまうとはな」
一歩を踏み出した覇界ゴルディーマーグと、ダブルマーグが対峙する。その二体の姿はよく似ている。そして、ゴルディがガラクタと貶したのも、無理はない。ダブルマーグは純粋な新型ロボではないからだ。
十年前、京都に於いて、レプリジン・ガオガイガーによってゴルディオンハンマーが破壊された際、分離していたマーグハンドのパーツは残された。だが、ゴルディの超AIはゴルディオンクラッシャーを制御するため、ディビジョン艦に移植されたのだ。そのため、マーグハンドは三重連太陽系に旅立つ際、オービットベースに残されたのだ。
そしていま、GGGブルーがマーグハンドを修復し、新たな簡易AIが組み込まれたツールと合体させた姿──それが、ダブルマーグである。
覇界の眷族との戦いが開始されたいま、ガオファイガーをサポートするため誕生した、新たなるツールロボ!
一方で覇界ゴルディ-マーグのボディは、超AIのうちにあるデータメモリーをもとにトリプルゼロに再構成されたものである。この二体は別々の脳と個性を持った同一人物と呼べる存在かもしれなかった。
「面白ぇ……今の俺様の相手ができるかどうか、試してやる!」
そう叫ぶと、覇界ゴルディーマーグは変形を開始した。すでに承認プロセスを必要としなくなっているのか、それとも──
(どこかで、覇界の眷族と化した大河長官や命がサポートしているのか……!)
変形した覇界マーグハンドが覇界ゴルディオンハンマーを握りしめ、後ろに控えていた鉛色の巨人に合体する。
「あいつは……ゴルディオンハンマーの出力に耐えられるのか!?」
凱が驚いたのも、無理はない。マーグハンドの補助があるとはいえ、それには強大なパワーと頑強さが必要とされる。初めてGツールが起動した際には、ガオガイガーがその過負荷に耐えかねそうになったほどだ。
すかさず、状況を分析したアルエットから通信が入る。
『凱……あいつはゼロロボよ。それも地下発電施設のプラントが変貌したもの!』
「五〇〇メートル以上もあったプラントを、あのサイズにまで凝縮したのか!」
その瞬間、凱は理解した。今、天井が失せているこの地底空洞は覇界の眷族が掘り抜いたわけではない。ここに存在した巨大施設が、その十分の一サイズの一体のゼロロボに圧縮、凝集された結果、発生した余剰空間なのだ。
「がっはっはっはっ! こいつなら俺の土台として充分だぜぇ!」
発電施設を凝集させた頑強な構造と、膨大なエネルギー。観測されていた高熱は、このゼロロボが放ったものだったのである。
「ZR-05というわけか!」
マーグハンドを装着した腕でゴルディンハンマーを握りしめる鉛色のゼロロボの全身は、一気にオレンジの光を帯びた金色に変わり、有り余る光の粒子を周囲に放ちそびえ立った。トリプルゼロの膨大なエネルギーを纏ったグラビティ・ショックウェーブ・ジェネレイティング・ツールを振りかざすZR-05。それは、かつてのどの勇者王よりも巨大で強力な、橙色と金色の超巨大神と成ったのだ。
膨大なエネルギーの計測数値に、真っ先に戦慄したのはやはり天才少女だった。
『この重力衝撃波の密度……なにもかも、ありとあらゆるものが……数秒で光にされる! 凱っ!!』
「……それなら、こっちもGダブルツールを使わせてもらうぜっ!」
物言わぬダブルマーグが身構える。次の瞬間、ウルテクエンジンを起動させたガオファイガーとともに宙に跳ねた。
「ゴルディオンダブルハンマー! 発動!! 承認っ!!!!」
(つづく)
著・竹田裕一郎
監修・米たにヨシトモ
次回11月更新予定
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