【第11回】高橋良輔監督旅行記「飛行機雲に誘われて」

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飛行機雲に誘われて……その11

 混沌と言えばインドだが、歴史と言えばエジプトである。なんせ一言で言って5000年である。さらにピラミッドでありスフインクスでありクレオパトラでありアブ・シンベルでありツタンカーメンである。ミイラだってあるでよ! で、もう頭がクラクラするほど観光ワードで溢れていてその昔モーゼだって逃げ出したほどだ。まあ観光地のファラオだね。
 で今回あたしらは何が目的だったかというと、シンプルにアガサ・クリスティー原作のミステリー『ナイルに死す』に誘われて、である。アガサは世界が認めるミステリーの女王。多くの名作を生み出したがナイルに死すもその一つ、ハリウッド製のジョン・ギラーミン監督ピーター・ユスチノフ主演の『ナイル殺人事件』もあったがあたしらが好きなのはイギリスのテレビシリーズで『デビット・スーシエ』主演のものだ。ユスチノフも悪くはないがスーシエはあたしらのポアロイメージにピッタリ! 熊倉一雄の声もよかったなあ! あたしらは大体本格ミステリーという分野が好きで、なかでもこういう観光地を舞台にした作り物作り物したものが好きである。まあ娯楽として肩がこらず心置きなく楽しめるものが好きってことだろう

▲アガサが泊って小説の構想を練ったと言われるホテル。

 

▲ホテルの前のナイル河。ここら辺りは泳げるほど水質もよい。

 

 お話はどうでもいい、なんてことはむろん無いのだが殺人本番前に起こる事件の数々を彩る場所が魅力的なのである。中でもルクソールはかつてテーベと呼ばれて最も栄えた古代都市で、左岸にツタンカーメン王で有名な王家の谷がありハトシエプスト女王葬祭殿などがある。右岸にはルクソール神殿カルナック神殿などがあり巨大な石柱が林立してミステリー気分を盛り上げている。いかにも巨大な石の天蓋が降ってきそうじゃありませんか。

▲ハトシエプスト葬祭殿。昔ここで銃撃テロがあって日本人も多く巻き込まれた。

 

▲カルナック宮殿の巨大石柱。

 

 ツアーの間は自称“ハマちゃん”を名乗るエジプト人『Mrアフメッド』氏が案内してくれたのだが5000年の自信か全てにおいて上から目線、悪い人ではないのだが、あたしがこんなに熱心に教えてやってるんだから聞きなさい、とばかりバカ長い話の間に教育的指導(本気で叱る)が入る。善意は時に怖く気がふさぐ。
 エジプト観光の華はやはりピラミッドだろう。しかし意外にカイロ市街から近い。

▲市街の一角から覘くピラミッド。

 

▲似合う? 似合わない?

 

▲ホテルの窓からスモッグにかすむカイロ市街、それなりにロマンチック。

 

 今度はナイル河のクルーズに挑戦してみたい、事件は期待しないけど。

 


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