【第24回】高橋良輔監督旅行記「飛行機雲に誘われて」

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飛行機雲に誘われて……その24

 世界遺産という言葉があるが、数字にしたら幾つくらいあるんだろう。たぶん100や200じゃないだろうなきっと。
 あたしらもその中の幾つかには行った。その中でもぱっと思いつくのがピラミッドとこのアンコール・ワットだろうか。万里の長城もすごかったな。
 で、何がすごいって、ホント凄いのよ! 心の中で叫んだね、

「これってアジア人が作ったの!?」

 石造建築の重密感に圧倒されました。日本て石造建築物って少ないものねえ。石材が乏しいのかしら、それともそれ以上に木材が豊富だったからかしら。列島の緯度のせいということも…単純に日本人に筋肉と根性がなかったからかもしれない。まあともかく日本にはないものであることは間違いない。

▲アンコール・トムの中心バイヨン。どうです、石ばっかりでしょう。ギッシリ感満点。

 

▲塔に近づいてみると既視感溢れるお顔が。これがクメールの微笑です。

 

 アンコール・ワットとアンコール・トム、この二つがダントツ有名だが二つは隣接している。ちなみにアンコールとは都市を意味するらしい。ワットは寺院、トムは大きいを意味するようだ。両方とも城塞を兼ねているのでかなり幅のある環濠に囲まれている。
 現在カンボジアは90パーセント近くの人が仏教徒だが、建築物はヒンズーの影響の方が強い。アンコール・トムの建物を囲む壁面には神話と歴史を語る見事なレリーフがびっしりだ。

▲建物の周りはすべてこんな感じ。見事でしょ。

 

▲装飾はレリーフばかりじゃないんです。こんな立体的なものも。これはテラス基部で、この上のテラスで王が催事を見物したらしい。

 

 以上の写真はアンコール・トムのものだが、アンコールワットになるとやや肌合いが違う。トムよりワットの方が整理感が強い。ヒンズーから仏教への影響があるのかもしれない。

▲どうです、そんな感じがしませんか? ちょっとハッチャケ感が薄い、仏くさい、ね。

 

▲アンコール遺跡群は朝焼けと夕景が綺麗と聞いてきたのですが、残念ながら朝焼けは思ったほどではありませんでしたが、夕景はなかなかでした。

 

 話の方向が突然変わるのだが。あたしらをアテンドしてくれた現地ガイドがいた。年の頃は40デコボコ(前後ということです)、身長は165を少し超えるくらいか、しかし筋肉質の胸板の厚い精悍な風貌にあたしらはつい、

「何かスポーツをやってたの?」

 と聞いてしまった。

「いえ、何で?」

 と逆に尋ねる彼に、

「いやあ、しっかりした身体をしてるから」

 というと、

「子供の頃重い鉄砲もって駆けずり回ってましたから」

 と何気ない調子でいう。

(ええーっ!? それって少年兵士だったってこと!)

 確かに内戦が終息したのは20年前くらいだったから、じゃあじゃあ!

(どっちの陣営にいたの?)

 とは聞けなかったが、カンボジアのリアルをいきなり突きつけられる思いだった。
 年末でドタバタしていてまたごまかしのような短い今回になってしまいましたが、次は観光拠点シェムリアップ周辺とトンレサップ湖周遊を。

 


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