【第37回】高橋良輔監督旅行記「飛行機雲に誘われて」

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飛行機雲に誘われて……その37

 兵馬俑は凄かった!
 兵馬俑は凄かったが当然西安の見どころは兵馬俑だけではない。前にも書いたがあたしらにとってはシルクロードの出発点でもある。シルクロードと言う言葉からはいろいろのものが想起されるが、あたしらにとってはその一番は『三蔵法師』かなあ、あの西遊記の三蔵法師『玄奘』である。あたしらの師匠と言えばあの『手塚治虫』なのだが、その昔『僕の孫悟空』という漫画を描いている。その後アニメ版の『悟空の大冒険』を作った時はあたしらも演出を手伝った。そんなこんなで"玄奘三蔵法師"には馴染みがあるのだ。その玄奘がインドへ旅立ったのがこの西安からなのだ。
 玄奘は何しにインドへ行ったかというと、僧侶としての仏教のさらなる修行と勉強だろうが、結果として膨大な量の仏典をこの西安に持ち帰った。真面目なところでの玄奘の功績はそのサンスクリット語で書かれた膨大な経典の漢訳だというのだが、膨大なってどんな量? 馬の荷駄にして22頭分! と伝えられている。そんなこんなで玄奘はシルクロードの往復に大変な労苦を強いられたのだろうけれど、それを旅行記として著したのが『大唐西域記』で、あたしらの知っている孫悟空や猪八戒沙悟浄の活躍する血沸き肉躍る『西遊記』の元本になっている。
 ところで、日本における一般的な玄奘三蔵法師のイメージはどんなだろう。あたしらのものはなんてったって『悟空の大冒険』の、あのなよなよヒョロヒョロした頼りな~い感じが強くなってしまう。まあ実写版の夏目雅子のイメージもあるかな。いずれにしても逞しく男性的とは言い難いのだが、ちょっと次の写真を見て欲しい。

▲玄奘が持ち帰った仏典を納め保管するために作られたというレンガ造りの塔。7層で64メートルの高さがある。あの文化大革命では紅衛兵の破壊の目標にもなったが危ういところで助かった。

▲その大雁塔の前に立つ玄奘三蔵法師の像。

▲どうです逞しくないですか? 少なくても男性的でしょう!

▲この角度から見ると悲壮勇壮な夢を秘める男の哀愁美まで感じます。

 この大雁塔には登ることができます。あたしらは登りませんでしたが、こういうところが歳ですねえ、ちょっと前ならこんなことはなかったのですが、つい体力を考えてしまいます。
 西安まだ続きます。

 


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