【EX01 後編】SDガンダム ザ・ラストワールド ステージEX01

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ステージEX01
忍者エクシア編 後編

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「大王種のクラブマラサイと戦ったのがフタゴ・タマガワ……空に架かる石の橋を見たのがここ……現在はこの辺りですね」

 吟遊騎士レッドウォーリアRが地図と風景を見比べ、俺もそれを覗き込む。
 俺たちはタマガワ、というらしい川に沿って下っていた。周辺の川岸は広くなり、いくつかの施設の跡が見える。
 地図上ではそこまで大きな川ではないはずが、対岸は不気味な霧に覆われて全く見通せない。まるでそこから先には何も無いかのように――

「騎士殿、川の向こう岸だが……どう見る?」
「……そうですね。あの霧が何か魔術的な物なら、街ごと巨大な結界の中に封じられているという可能性もあります。あるいはこの世界そのものが……」

 騎士殿の意見を遮るように、孫尚香ガーベラ姫の声が響いてきた。

「あーもう、あったま来たわ! 勝負よ貂蝉、どっちが強いかはっきりさせてあげる! あたしの方がガイコツ兵をたくさん倒したんだから!」
「頭目の妖術使いを倒したのは私だと忘れたのか。勝負するなら構わないが、あの龍帝剣の男に会えなくなっても知らんぞ?」
「なーんですってぇ!」

 ……また始まった。先程、怪物の一団を追い払った時の話らしい。
 貂蝉キュベレイを同行させて以来、姫と貂蝉は戦いの度に『自分の方が戦闘で役に立つ』と飛び出し、戦いが終われば口論を繰り返している。
 結果、戦闘に俺と騎士殿の出番はほとんどなくなっていた。

「やれやれ、またか……何故姫はあそこまで貂蝉と張り合おうとするんだ?」
「……貴方が急に現れた彼女をあっさり信用したからだと思いますよ、エクシア殿。何かあのレディに惹かれる部分でも?」

 騎士殿の言葉に、俺ははっとした。全く意識していなかったが、そうか……。
 俺が以前、忍務で出会った小国の姫君。貂蝉の声は、その姫君とよく似ていたのだ。
 ――結局俺も心のどこかで、見知った者の面影を追っていたのかもしれない。
 俺もまだまだ修行が足りない――そんな俺の考えとは関係なく、

「エクシアおにーちゃん、あたしもガイコツお化けいっぱいやっつけたんだよ~! ほめて、ほめて~!」

 ガンイージスMk-Ⅱが突進してきて俺に抱き着き、これまた毎度のように締め上げる。

「ぐあああ……わ、わかったから……は、離……」
「……そーよ! ニンジャくんにどっちが強いか決めてもらおうじゃない!」
「フフ、いいだろう。まさか尚香の方が強いなどとは言いますまいな、エクシア?」

 二人の問いをよそに、俺は気を失った――ガンイージスに締め落とされるのはこれで何度目だろう……。

「ふむ、あそこに見えるのが鉄の橋でしょうか。地図によれば、川沿いに曲がってあれを越えれば海も近いはず」
「もーすぐ海なんだね~! おにーちゃんはいるのかな~」

 だいぶ下流に来たのか川幅も広くなり、先では大きく曲がっているようだ。吟遊騎士の言う通り、遠くに鉄の橋らしき物が架かっている。

「海か、私には初めての土地だが……それよりエクシア、気づいているな?」

 貂蝉の言葉にうなずき、俺は後ろを向いて声を上げた。

「誰かは知らんが、殺気を隠すつもりがないのならさっさと姿を見せたらどうだ?」

 暫しの間を置き、瓦礫の影から現れたのは見覚えのある赤装束の男だった。

「久しぶりですね風の忍者……それに江東の弓腰姫も。私を忘れたとは言わせませんよ」

 炎王ギラーガ。
 この男に襲われていた姫を俺と殺駆頭殿で助け、いわば俺たちが姫と出会うきっかけとなった男。以前から時折感じた殺気はこの男のものだったようだが……。

「え、あたし? ……全然覚えてないんだけど、あんた誰?」

 姫は全く覚えていなかった……考えてみれば直接この男と戦って撃退したのは俺だから、姫の印象に残らなくても仕方がないのかもしれないが、しかし……。

「……お、覚えてない!? 私です、炎王ギラーガ様ですよ!」
「フッ、大方印象に残らないくらい弱かったのではないか」
「貂蝉おねーちゃん、そんな本当のこと言ったらおじさんがかわいそうだよ~」
「ぐぬぬぬ……い、言わせておけば、こ、小娘どもが……」

 ギラーガのような手合いを逆上させると後が面倒だ、神経を逆撫でし続ける三人娘を制して前に出ようとした時。

「下らん茶番はもういい、ギラーガ。そいつが強いというのは本当だろうな」

 ギラーガの後ろからもう一人、ゆらりと男が現れた。
 サムライ衆のような深紅の鎧、兜から俺を睨みつける真っ赤な目。男はどこか殺駆頭殿に似ていたが、まるで幽鬼を思わせる不気味さ、何よりも全身から噴き出す禍々しい殺気が、殺駆頭殿のそれとは全く異なっていた。

「……おっと失礼、魔殺駆さん。ええ、こいつは強いですよ……倒せば貴方の怨敵、天宮アークの国の大将軍以上の力が手に入るかと」
「ふん、異国の忍び風情がそこまでとは信じられんが……乗ってやろう。おい忍び、戦うなら全力で来い。覇道変幻!!」

 魔殺駆と呼ばれた男が叫ぶと、その身体からGソウルの輝きが溢れ出す。
 光は巨大なサソリのような形を取ったかに見えたが、次の瞬間には天を衝く武人へと姿を変えた。

「巨神体だと!?」
「地獄に落ちたはずのこの俺が、戦を重ねてさらなる力を手にできるというこの世界……ある意味、ここも地獄と変わらんな。さあ忍び、この地獄で魂を賭けた勝負といこうじゃないか!」

 巨神となった魔殺駆が、漆黒の剣を俺たち目がけて振りおろす。
 俺もGソウルを開放、巨神体に―――だめだ。もしここで俺が暴走でもしたら、間違いなく全滅だ。それだけは避けなければ―――

「天眼奥義、七星刃の術!」

 今までにも巨神体を倒してきた忍法で、俺はGN大手裏剣と一体化。刃と化した身体を旋回させ、魔殺駆の剣を弾き返す。

「相手は強敵です! お嬢さん方、エクシア殿の援護を―――」
「おっと。貴方たちの相手は私がしてあげますよ」

 俺と吟遊騎士たちの間に割って入ったギラーガは魔殺駆と同様、黄金の光に包まれる。そのGソウルは騎士を模した巨大兵器に姿を変えた。吟遊騎士が叫ぶ。

「あれは、まさかネオジオン族の邪機兵!? どうして貴方がそんなものを!?」
「ククク……私は様々な時空を渡り歩いている身でね、それなりに異世界の武器にも詳しいんですよ。丁度Gソウルでこいつを構築した騎士を見かけたのでね、機兵共々Gソウルになっていただきました」

 邪機兵からギラーガの声が響き、両腕に光の剣と盾が形成された。
 対して吟遊騎士は再び黄金機兵を呼び出せるほどのGソウルを持っていない。ギラーガがこんな手を用意していたとは……。

「構わないわ! こいつはあたしたちで何とかするから、ニンジャくんは巨神体を!」

 俺は魔殺駆に向き直る。今は姫の言葉を信じて戦うしかない!

「ギラーガめ、あれだけのGソウルを隠し持っていたとは油断ならん奴。だがまあ、これで一騎打ちという訳だ、忍び!」
「一気に決める! 忍法トランザム!」

 全身の七つ刃を赤く輝かせ、俺は魔殺駆に肉薄。赤い風と黒い刃が火花を散らす。
 魔殺駆は巨体とは思えない刀捌きで俺の刃を受け流し、返す刀で的確に俺を狙ってくる。

「なかなか素早いな、それに七本の刃か……ならばこちらも手数を増やさせてもらう!」

 言うや魔殺駆の背中から六振りの刀が射出された。それは空中で向きを変えると、まるで達人の手に握られた刀のように、忍法を発動している俺を確実に捉えてくる。
 六方向から一斉に斬りかかってきたかと思えば、次は絶妙に間を開けた時間差攻撃。加えて魔殺駆本人の漆黒の斬撃に、今度は俺が受けに回る形となってしまった。

「妖術まで使うのか!」
「どうした忍び、刀の数が互角になっただけだぞ!」

 今まで戦った誰よりも、巨神体での戦いに慣れている……強い!

 邪機兵を駆るギラーガと姫たちとの戦いは、想定外に一方的だった。
 機兵との戦いを熟知した吟遊騎士が先陣を切り、その指示に合わせて姫と貂蝉が連続攻撃を仕掛ける。
 構造上の弱点となる脚部の関節を集中的に狙い、破壊には至らないものの、確実に邪機兵の動きを阻害していた。

「おのれ、鬱陶しい……斬り刻んでくれる!」

 ギラーガは姫たちを薙ぎ払おうとするが、脚のダメージのせいで動きが鈍い。三人が距離を取るには十分で、機兵の光剣は大きく空を切った。

「皆が離れた、今です! 鋼鉄のお嬢さん!」
「みんなをいじめないでーー!!」

 ガンイージスが全身から砲撃を開始した。
 本来対艦戦闘に使われる強力な主砲弾や噴進ロケット弾、対空機関砲弾までもが周囲に雨霰と降り注ぎ、さしもの邪機兵の装甲も紙きれのように裂けていく。
 半壊しつつも身体を起こした機兵の顔面に、軍艦をも一撃で沈める大型誘導弾ミサイルがとどめとばかりに着弾。

「馬鹿な、こんなはずでは―――」

 ギラーガの声が終わらないうちに、邪機兵は爆発四散した。

「……ふええ、こわかったよぉ~」
「じ、実に見事な連携でした、お嬢さん方……ここまでとは思いませんでしたが」
「まー、さっすがあたしって感じよね! ……それにしても、あんたが手伝ってくれるとは思わなかったわ、貂蝉」
「……ああいうおとこは虫が好かん。奉先ほうせんの手を煩わせるまでもない相手というだけだ」
「ふ~ん、貂蝉おねーちゃんはホーセンさんのことが大好きなんだね~」
「何を急に……それより向こうだ。エクシアと赤い侠、どちらが奉先の相手として相応しいか……?」

 貂蝉は戦い続ける俺と魔殺駆を振り仰いだ。

 その時だった。

 周囲を揺るがす轟音と共に、川の中央から巨大な水柱が立ち上った。同時に川が渦を巻き始め、凄まじい気配が辺りを覆う。

「! この気配は!?」

 俺と魔殺駆の眼前で天高く飛沫を巻き上げ、川を切り裂くように気配の主が姿を現した。
 巨神体の魔殺駆をも上回る巨体。金属の光沢に鈍く輝く鱗と、一対の翼を備えた三つ首竜―――突如、哄笑が響き渡る。
 邪機兵が爆散した大穴の底で、ボロボロのギラーガが笑っていた。

「クク、ハハハハハハ! そいつはガンマドラゴン! かつて蛮族どもの大陸を恐怖に陥れた伝説の魔獣よ!」
「ギラーガ、貴様!?」
「言ったろう? 俺様は異世界の事に詳しいと! 川に出た怪物を調べれば、すぐガンマドラゴンだと分かったのよ! まさかその後に貴様らを見かけるとは思わなかったが、おかげでガンマドラゴンのいい使い道ができた! 貴様らをこの魔獣の住処まで泳がせて、そいつの餌にしてやるってな!! クハハハ、ハーッハハハハハ!!」
「川の怪物って、あの大蟹じゃなかったっていうの……!?」

 ギラーガの哄笑を吹き飛ばすように、ガンマドラゴンが咆哮を上げる。
 魔獣は煉獄の炎のように燃える目を俺たちに向け、言葉を放つ―――こいつ、知性があるのか!?

『我が領域と知って踏み入るとは愚かな小さき者共よ! 望み通り、我が贄としてくれる!』

 言い終わるや否や、魔獣は三つの口腔から炎を吐き出した。

「まずい! 皆、避けろーっ!!」

 俺は咄嗟に叫ぶ。直後、川岸は炎に包まれた。
 三つ首から縦横に吐き出される炎をかわしつつ、皆の姿を確認する。
 慌てて後方に下がったガンイージス、その陰に吟遊騎士、姫、貂蝉。皆、無事に初撃はかわせたようだ。
 魔殺駆もあの巨体で炎を避けている。しかし常にこちらへ殺意を向け、魔獣相手に手を組む気配はなさそうだ。ギラーガは……どこにも見当たらなかった。
 ガンドランダーのGソウルが、俺の中で魔獣への警鐘を鳴らし続ける―――奴は危険だ!
 皆で力を合わせれば倒せるかもしれない。だが、味方に一切被害を出さずに倒すなど不可能に近い。となれば逃げの一手だが、全員を無事に逃がすためには誰かが魔獣を引き付けておく必要がある……。

 ――貴様が救おうとした者たち、最後まで守り抜いて見せろよ――

 分かっている、殺駆頭殿。忍者の本分は勝負にあらず、忍務の完遂にあり。そして今の俺の忍務は、皆をこの場から生きて逃がす事。ならば俺の取る手段はただ一つ。
 俺はトランザムの術を解き、皆に呼び掛けた。

「聞いてくれ、俺は今から巨神体に化身する! それを合図に、皆は街の方へ逃げるんだ! あの巨体は街では動き辛いはず、だから奴は広い川岸を縄張りにしているんだ!」
「ちょっ……何言ってんのニンジャくん!? あの化物をやっつけるなら皆で戦った方が……」
「駄目だ、俺が暴走する可能性だってある! ……生きて劉備って男に会うんだろ、姫!」
「で、でも……」
「貂蝉もガンイージスも、会いたい奴がいるんだろう!? なら、ここは逃げてくれ! ……騎士殿、皆を頼む!」
「……わかりました。しかし厄介事を私に押し付けて自分だけ華々しく散るなどというのは許しませんよ。ドラゴンスレイヤーの英雄譚、是非謳わせてもらわなくては」
「お前ほどの侠と戦えれば、きっと奉先も喜ぶだろうが……いや、奉先と戦わせるのは……少しだけ、惜しいかな」
「うう~……、おにーちゃんに会えたらいっしょに助けにくるからね、エクシアおにーちゃん!」
「……行くぞ、巨忍変化の術!」

 俺の中のGソウルが解放され、目の前が黄金の光に包まれる。数秒後に戻った視界は以前よりも遥か上空にあり、俺は同じ高さに魔殺駆を、そしてガンマドラゴンを捉えていた。
 俺の意識は俺のまま、そして巨神の体は俺の思う通りに動く!

「皆、行けーっ!!」

 俺は叫び、ガンマドラゴンに突進する。先ずは皆が逃げる時間を稼がなければ。

「忍法、トランザム分身!」

 俺の、巨神の体が赤い風になる。正面からの炎をかわすとともに、魔獣の周囲を超高速で駆ける。魔獣の目には、残像の俺が何体にも分裂したように見えただろう。
 狙い通り、三つ首の攻撃が全て俺に向けられる。離れれば炎、近づけば巨大な爪の一撃。巨神体と言えど直撃すれば致命傷になりかねないそれをかわし、受け流し、反撃の機会を狙う。が、そこに魔殺駆が斬りこんできた。

「ようやく本気を出したな、忍び! そう来なくては面白くない!」
「先にあの魔獣を倒そうという気にはならないのか!?」
「地獄の余興ならこんなものだろう! 貴様を斬ってから考えるわ!」

 魔殺駆とは鬼か羅刹か。さすがに俺の術に追いつく速さはないものの、魔獣の攻撃を捌き、かつ俺の動きを見切って正確な斬撃を叩き込んでくる。信じられない技量だ。
 共に魔獣の攻撃をかわしつつ打合い、ついに俺と魔殺駆の刃は鍔競り合いの形となり――動きが止まった。
 僅かでも動きを止めた二体の巨神。その機を逃さず魔獣の猛攻が襲い掛かる。俺は間一髪で後方へ跳び退り――

「俺の勝ちだ、忍び」

 勝ち誇った声が聞こえた。一拍の後、魔殺駆の飛ばした六振りの刀が俺の体を貫き、魔殺駆は爆炎に包まれる。
 俺はその場に膝をつき、刺さった刀を抜き捨てた。もはやトランザムを維持できないどころか、ろくに体を動かすこともままならない……次の攻撃は避けられないだろう。
 ガンマドラゴンが三つ首をゆっくりと俺に向ける。笑ったように開く口腔から、最後の炎が放たれた。
 俺は瞬時に巨神の術を解き、GN大手裏剣を盾にする―――これで防げるはずもないが、諦めて倒されるのを待つ気もない―――それだけだった。
 魔獣の業火が俺を覆い、大手裏剣が砕け散る。全身を焼かれる感覚に意識が遠のく。

『図に乗るな、有象無象の獣風情が』

 意識が闇に沈む寸前、そんな声が聞こえた気がした。

「……神ならぬ身でここまでGソウルを高める者は貴重だろう。私は君のようにただ刈り取るだけでいいとは思わないよ」

 まだ意識がはっきりしない中、誰かの話し声が耳に届く。……誰の声だ?

「とは言え、君が力を使ってまであの魔獣を狩らなければ彼も助かっていないし、君の時間も失われずに済んだはず。彼は……身を賭して臣民を守った昔の君に似ていると思うがね」

 俺は跳ね起き、全身を襲う激痛に再び倒れた。右目は霞み、左腕は動かない。忍装束は至る所が焼け焦げ切り裂かれ、随所に巻かれた包帯が覗いている。
 どうやら俺は何処かの廃墟、その寝台に寝かされているらしい。

「おや、気が付いたかね。手当ては済んだが、まだ無理はしない方がいい。完全な回復にはGソウルが足りなかった」

 先程の声の主か、金色の法衣か術師のような装いに、黒い仮面の男が立っていた。
 しかしこの男の纏う気配は……雰囲気こそ全く異なるものの、あの魔神ガンダム・ザ・ゴールドと同様、俺たちとは次元の違う存在を感じさせるものだった。
 会話の相手の姿はどこにもない。

「……手当てで済む程度の傷で済んだとは思えないが……感謝する。だが、俺はもう行かなければ」
「君の友人たちなら心配いらない。今は散り散りになっているが、皆無事だよ。魔獣ガンマドラゴンは……そう、私の友人が真っ二つに斬り捨てた」
「!! そんなことが出来るのは……やはり黄金の魔神がここにいたのか!?」
「……先程までね。君を助けるのには反対していたが、彼がいなければ君も友人も助からなかったかもしれない」

 この男は魔神の仲間なのか。ならば何故魔神の意に反して俺を助ける? そもそも魔神は何をしようとしている? 俺が疑問をぶつけようと口を開く前に、男は言った。

「……その疑問は、君たちが黄金の魔神と呼ぶ者に直接聞くといい。それと君の武具だが、残ったGソウルではここまでが限界だった、許してくれ」

 男が指した先を見ると、GN大手裏剣の残骸が転がっている。俺の体もそうだが、粉々になったはずのそれが、かろうじて原型を留めている。一体どんな魔法で修復したのか。
 次に視線を戻した時には、黄金の魔術師は気配共々消え去っていた。

 まだ使えそうな武器を選別、忍装束を修繕し、利かない左腕をマフラーで覆う。右目に眼帯代わりの鍔を当て、俺は再び歩き出す。
 吟遊騎士や姫たちとも、生きていれば会えるはず。巨神の力は失ったが、俺に迷いはなかった。
 遥か北の彼方、先端に巨神像を頂く半壊した塔。
 俺は『始まりの地』トチョーを目指す。
 今度こそ黄金の魔神ガンダム・ザ・ゴールドに借りを返す、そのために

(つづく)

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イラスト:今石進


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