【第2話】SDガンダム ザ・ラストワールド ステージ2
ステージ2
第2話「正義の海賊団!?-ニューホープ-」
「あなた方が今世間を騒がせている海賊団ですね」
「ほぉ貴様があのトライガンボイか。オレが相手になってやる」
突然現れたトライガンボイを倒そうと意気込むキャプテンブラッディ。そんな二人のやりとりを聞きつけ、ブラッディの仲間の海賊たちもやってきた。
羽根飾りの付いた帽子を被り、ドクロの意匠が刻まれた鎧を纏う騎士に、青い鎧を纏った武将。そして、体中から角を生やした戦士。さらにその背後から、銀のマスクを付けた細身の戦士エルフ・ブルックが身を乗り出してきた。
「こいつはこの俺の獲物だ。ブラッディ、貴様は引っ込んでいろ!!」
「何だと“銀牙”。こいつを見つけたのはオレが先だ」
「うるせぇ、早い者勝ちなら、俺が先に倒しちまえばいいだろ」
ブラッディを押し退けた銀牙は、トライガンボイに向かっていく。
「ボクが探しているのは、時空犯罪者だけです。あなたではありません」
「時空犯罪者など関係ない。お前は俺の獲物なんだよ」
ナイフを両手に凄まじいスピードで懐に入り込む銀牙だったが、その攻撃もさらりとかわすトライガンボイ。
しかし、その背後に突如モンスターが現れ、攻撃を受けてしまう。
「うっ!? ……何者ですかっ!!」
「そいつは相棒のジーラッハ。ちょこまかうるさいヤツは、パワーでねじ伏せてやるよ」
ジーラッハと合体し亜神体となった銀牙の姿は、四脚の下半身を持つモンスターのような禍々しい姿へと変身、巨大な爪でトライガンボイを襲う。
そんなトライガンボイの戦いを見ていた龍帝ユニコーンと寧那。
「どういうことだ。海賊たちはお前を狙っていたんじゃないのか?」
「海賊たちの狙いは、トライガンボイで、私はその仲間だと思われて追われていたの」
「まぁいい。お前はちょっと引っ込んでいろ。我が戦いを収めてやる」
自ら騒動を収めようと、飛び出していく龍帝。
それに気づいたドクロ意匠の鎧を纏う騎士――クロスボーンは、龍帝を迎え撃ちに出ようとする。しかし、その動きを制するように一人の侠が動いた。
「待ってください兄貴。こいつの相手は俺がします」
「そうか、ならば任せた劉備!!」
クロスボーンに代わって、ひとりで龍帝に向かっていく青い鎧の武将、劉備ガンダム。
ヤツの相手なら劉備でも遅れは取らないであろうと、クロスボーンはトライガンボイとの戦いに注視することにする。
両手に刀を構え、龍帝に斬り込む劉備。龍帝も閃光双龍刀で迎え撃つ。
「邪魔をさせる訳にはいかない!」
「まずはこの戦いをやめて、我に説明してもらおうじゃないか」
「トライガンボイは世界を乱す者。この世界の正義を守るためには倒さなければならない!」
劉備の正義の心が燃え上がり、牙龍刀が龍帝の閃光双龍刀を跳ね返す。そして、左手の爪龍刀が龍帝の眼前に迫るが、その時、龍帝の目の前に黄金に輝く剣が出現し、劉備の刀を受け止めた。
「これは……公孫瓚の兄貴が言っていた伝説の龍帝剣……なぜ俺の攻撃を止める……」
「この剣が龍帝剣だと……我が名を冠する剣ならば、我を助けるのは当然っ!!」
龍帝剣の光を浴びた龍帝は、額の一本角は左右に割れ、覚醒体へと変身する。
「その姿は……本当に……龍帝なのか……」
「我が、龍帝ユニコーンだっ!!」
一方、亜神体となった銀牙の攻撃を受け止めているトライガンボイ。
「どうだ、このまま押しつぶされていくか?」
「やむを得ません、ボイジャーチェンジです!」
トライガンボイがタイムエナジーを掲げると、その姿は赤き海賊へと変化した。
「やはり海賊には、海賊でお相手いたします!」
パイレーツモードになったトライガンボイは、腰のサーベルを抜いて攻撃を跳ね返す。
「おいおい、どうした銀牙よ。やはりここはオレの出番だっただろうが」
「そうかい、だったら、ちょっと力を貸してくれよ」
苦戦する銀牙を見かねて、トライガンボイの前に出てきたブラッディ。しかし、銀牙は背後からブラッディをその巨大な爪で貫いた。
「貴様、何をする。俺たちの敵はトライ……ガン……」
まさかの味方からの攻撃になすすべなく倒れるブラッディは、Gソウルとなって銀牙へと吸収されてしまう。
「俺に仲間などいない。すべては俺のGソウルとなる存在だ。俺はヤツを倒す力さえ手に入ればいいのだ」
ブラッディのGソウルを得た銀牙の体は、さらに大きな巨神体へと変貌していく。
「フッフッフッフッフ……これが巨神体か! 体の中から力があふれ出して止まらない! なるほど、あいつの言っていた通りだ!」
「そんなっ仲間を犠牲にしてまで……」
屹立する巨大な敵の残忍な行動に、心を痛めるトライガンボイ。しかし、だからこそ彼は、決意を固めることができた。
「仕方ありません。巨神体が相手となれば……ついにボクも奥の手を出さなければならないようですね」
さらなる混戦を横目に、寧那の口元には怪しげな笑みが浮かんでいた。
(続く)
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イラスト:折原冬真
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