【第6話】SDガンダム ザ・ラストワールド ステージ2

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ステージ2
第6話「龍帝覚醒-ジャスティスファイト-」

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 スローネ三兄妹は漆黒の巨神スローネトリニティへ忍邪合身し、龍帝ユニコーンの前に立ちふさがる。

「お前のおかげでずいぶん楽しませてもらったが、ここで終わりにしよう」
「なるほど、三位一体か……ならば我も、Gソウルの力とやらを試させてもらう!」

 龍帝はこれまでの戦いで得たGソウルの力をすべて解放。手足が伸び、伝説の魔神・蚩尤しゅうと戦っていた白き巨神の姿を取り戻した。

「取り戻したぞ、天の龍王たる力……邪悪を滅ぼす神たる力!」
「はは、神の力だと? 面白い、我ら兄妹の忍邪合身とどちらが強いか、白黒はっきりさせようじゃないか!」

 スローネトリニティは、手に持った巨大な武器「GN爆星大薙刀バスタージャベリン」を振るって吹雪を巻き起こし、攻撃を仕掛けた。吹雪にまぎれた無数の氷の刃が龍帝を襲うが、本来の姿を取り戻した龍帝は、手にした黄金の剣「天覇翔烈剣」でこれを斬り伏せる。
 そこへスローネはすかさず大薙刀で斬り込んでいき、白と黒の巨神が鍔ぜり合う。天覇翔烈剣とGN爆星大薙刀のぶつかり合いは、衝撃波を生んで周囲の建物を吹き飛ばし、ウエノの街を破壊していく。

「いかん、このままでは街全体が壊滅する! 今は民を逃がすのが先だ、急げ!」

 巨神同士の戦いよって壊れていく街で、白龍頑駄無は民を守りながら必死に避難誘導を続けていた。しかし、それ以上の速さで崩壊していく街に危機感を覚え、二体の巨神を仰ぎ見る。
 そして、白龍同様に住民の避難誘導を行っていた劉備ガンダムもまた、巨神同士の激しい戦いを目の当たりにし、憤りを感じていた。

「あれが俺たちの祖、伝説の龍帝だというのか? 民を犠牲にしてまで勝つことに、何の正義があるというんだ!」

 しかし、二人の思いとは裏腹に龍帝とスローネの戦いは激しさを増す。白と黒の激突は巨大なターミナルを破壊し、周囲の建物を巻き込んでウエノを壊滅させていく。

「ははっ! 神の力というだけはあるな。だが、所詮はこの程度か」
「……我の力がこの程度だと? ならば、この技を食らってその慢心を悔いよ! 天翔龍覇……」
「待ってくれ!」

 龍帝が技を繰り出す直前、双龍刀を構えた白龍が飛び出し、龍帝の剣を受け止めた。

「邪魔をするな! 我は何としてもこいつを倒し、三璃沙ミリシャに帰り蚩尤を倒さねばならんのだ!」

 思わぬ妨害に、龍帝は語気を荒げる。だが、その怒気を含んだ言葉に反応したのは劉備だった。

「蚩尤だって!!」

 蚩尤の名を聞いた劉備は、ここにいる龍帝が蚩尤を倒す前に召還されていたことを知る。
 もしここで龍帝が倒されれば、後に続く未来の三璃紗は存在しないものになってしまうのではないか。しかし、このままでは、ウエノの住民たちにも大きな被害が出てしまう。

「くっそぉぉぉっ! 目の前の人々を救えなくて、何の未来があるものか!!」

 劉備は、己の迷いを振り切るように、二振りの刀を手にして龍帝に突っ込んでいく。
 そして、龍帝の天覇翔烈剣、白龍の双龍刀、劉備の爪龍刀と牙龍刀が交わった瞬間、強烈な光が辺りを包み込んだ。

* * *

「この神たる力を持ってしなければ、あの黒き巨神を倒すことはできん。ヤツを倒せなければ、この地はさらなる焦土となろう。我が魂を継ぐ者ならば、悪を倒して正義を貫け!」

 白龍と劉備の魂に直接、龍帝の声が響く。そこにあるのは、龍帝という伝説が持つ覚悟の大きさと、熱き想い。

「……ならば、私は民を守る盾となろう!」

 龍帝の覚悟と想いを受け、決意を固める白龍。
 だが、海賊騎士クロスボーンガンダムの一件でわだかまりのある劉備は、龍帝の声を受け止めきれない。しかし、そこへ懐かしい声が聞こえてくる。

「劉備、お前はもうわかっているはずだ。あの時、龍帝はお前に代わって俺を止めてくれたのだ」
「あ、兄貴! でも……」
「おかげで、俺はお前を手にかけなくてすんだ。龍帝は、お前を護ったんだよ。さあ……今度はお前が護る番だ」
「兄貴……兄貴のその言葉ですべてが吹っ切れたぜ!」

 ついに龍帝とその魂を受け継ぐ二人の心がひとつとなった。すると、彼らを包んでいた光は伝説の神器・龍輝宝となって二人の体に装着される。

「これが龍帝たる力か……ならばあえて名乗ろう、白龍大帝と」
「そう、これが『護る』正義の力、翔烈帝だぁぁぁぁ!」

 龍輝宝をまとった二人は、頑駄無白龍大帝、翔烈帝劉備ガンダムへと姿を変えた。

* * *

「ほほう、何やら二人ほどパワーアップしたようだが、所詮は巨神体にもなれぬ雑魚。まとめて消し飛ばしてやろう。蚩尤なんて輩との戦いなぞ、夢のまた夢。この地でくたばるがいい!」
「龍帝殿、街への被害は我らが食い止める。思う存分戦ってください」
「当たり前、我は黒き巨神を倒すのみ!」

 再び、漆黒の巨神と龍帝が激突し、凄まじい衝撃波が周囲へ放たれる。しかし、再び街を壊すかに見えた衝撃波は、白龍大帝と翔烈帝劉備によって抑え込まれ、街への被害を最小限に食い止めた。

「ふむ、では今度こそ貴様に見せてやろう。これが我が必殺の……天翔龍覇斬!」

 周囲を気にすることのなくなった龍帝は、すべての力を開放させて必殺の一撃、天翔龍覇斬を放った。

「ぬうっ……何だ、この力は……!?」
「これが正義の力、悪しき忍者は消え去るがいい!」

 天覇翔烈剣より放たれた光の龍に呑み込まれていく漆黒の巨神。
 だが次の瞬間、光の龍は霧散し、中から暗黒の邪竜が出現する。漆黒の巨神は、禁断の変幻奥義を使って邪竜へと姿を変えたのだ。

「グルルルゥ……ア゛ア゛ァァァァアッ!!」

 邪竜は巨大な口を開き、禍々しいオーラを纏った黒炎を吐いて龍帝を焼き尽くそうとする。

「まずい、このままでは……龍帝殿! 今は龍帝の力を持つ者が三人。蚩尤に対して三侯で挑んだように、今我らの力に一つに!」
「すべてはこいつらの仕業。俺も兄貴のため、アンタに力を貸す」
「良かろう。ならば三龍帝の力を一つに……三位一体ッ!!」

 龍帝ユニコーンの魂に同調した白龍大帝、翔烈帝は光に包まれると、白き巨神と一つになり、黄金に輝く龍が誕生した。
 黄金の龍は、邪竜の黒炎を光に変えると、その禍々しい体へと巻き付き、地上を離れて空高くと飛んでいく。
 雲を突き抜けて上昇する黄金の龍と邪竜は、次第にその姿が見えなくなり、やがてウエノの上空で巨大な爆発が起こった。
 爆発が収まると暗雲は去り、明るい陽の光が差し込んでくる。足を止め、歓喜の声を上げる住民たち。そんな声に導かれるように、陽光の中から龍帝、白龍、劉備が現れる。三つの龍輝宝を使って邪竜を討ち滅ぼしたのか、三人は元の姿に戻っているのだった。

* * *

 三人が地上を見下ろすと、住民たちを連れて戻ってきたマルスガンダムとカエンマスターの姿があり、カエンに肩を借りるトライガンボイの姿もある。

「Gソウルを失ったか……だが、トライガンボイも無事のようだし、まあ何よりといった所だろう。さて、元の世界へ戻るために、また集めなおさねばならぬか……」
「いや龍帝殿、私が調べた所によると、このトーキョーは、ガンダム・ザ・ゴールドによって作られた世界のようで……ゆえに、元の世界へ戻るには、ザ・ゴールドを倒さなければならないようです」

 白龍からの情報に、劉備が驚きのあまり目を丸くする。

「ここが作られた世界……? そんなことってあるのかよ……」
「そうだ劉備、嘘みたいな話だがな。この世界の中心……トチョーの頂にあるという黄金のガンダム像……それがガンダム・ザ・ゴールドというらしい」

 この世界を生み出したザ・ゴールドを倒せば、元の世界へ戻れるかもしれない。白龍から告げられたこの世界の真実に、龍帝の中である思いが生まれる。
 ――我は神。この世界を生み出したザ・ゴールドが相手ならば、蚩尤の前哨戦として十分だろう。それに……未来の民草を救う事もまた、何かの縁だろう。

「……なるほど、我がそのザ・ゴールドを倒せば、この世界から出られるかも知れんな」

 こうして、龍帝ユニコーンはトチョーを目指す決意をするのだった。

* * *

 龍帝がトチョーを目指し始めたその頃、西からトーキョーの中心を目指す男の姿があった。その身には多くの傷を残し、一部をマントで包み隠している。
 風のように颯爽と大地を蹴るその姿は、まさに閃風と呼ぶべきものであった――

(ステージ2・完)

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イラスト:牟田口裕基


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