【第1回】高橋良輔の言っちゃなんだけど

高橋良輔

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『言っちゃなんだけど……その1』

高橋良輔の言っちゃなんだけど

 言ったって始まらないが、歳を取ったものである。
 連載に先立ってプロフィールを記しておく。

 西暦1943年1月生まれ、昭和でいえば18年の東京生まれ東京育ちである。多少時代で疎開という群馬が入っているが概ね東京の空気を吸って大人になった。明治大学第二文学部に在籍中に『虫プロダクション』に入社、仕事にかまけて学業は放り出し中退、そのまま業界に居続けて今に至っている。現在は大阪の芸術大学の教職にも籍を置いている。

 話は戻るがまったく歳をとったものである。還暦などははるかに、古希を過ぎて4年、つまりが押しも押されもしないジジイである。

 ジジイになるということはどんなことか。帽子をかぶる、咳をする、くしゃみに鼻水、杖を突く、つまらんことに文句が多い…てなことか。こんなことを全部解説したってどうしようもないから、帽子のことだけ。
 若いころなんでジジイは年がら年中帽子をかぶっているのかと疑問に思っていた。どうみてもおしゃれだなんて思えない。今自分がジジイになって分かったね。ジジイの帽子はおしゃれなんかではなく必需品なんだ。髪の乏しくなった頭は夏は直射日光に耐えられず、冬は寒いんだ。それとやたらめったらにあっちゃぶつけたりこっちゃぶつけたりするからプロテクター替わりでもある。ま、必要なんだよ。最近利口ぶった芸能人が室内でおしゃれのつもりか帽子をかぶりっぱなしのがいるけど、ありゃあたんなる常識知らずのもの知らず、言っちゃなんだが室内では男は被り物をとるのが礼儀なんだから。…ほおうらね、やたらと文句も多くなる。


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