【第04回】魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸

魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸

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第2話「み~んな欲しがる、ラー湖の聖水!」Bパート

「ロボさんこっちらっ! 手っのなーる方へーっ!」
「ヒミコ、先生、とにかく外へ逃げよう!」
「逃がすものか! ファイヤー! ファイヤー!!!」

 ロボたちがタンクーガーの指示に応えて、マシンガンを撃ってきた!

「あいたぁっ! 武士を相手に鉄砲とは、卑怯なり~!」
「先生、いいから走ってよ!!!」
「ヒミコ、いっちばーんっ!」

 よし、外に出られたぞ!

「へん玉、ブルー!!!」

 へん玉は柔らかい赤色の面と、硬~い青色の面を合わせ持ったぼくのふしぎアイテムだ。
 そこでぼくは、青い面をロボットに向けて勢いよく投げた。

「ガン! ガーン! ガーーン! ドガガーーーーン!!!」

 よーし、見事にヘン玉がロボットたちにヒットしたぞ!
 これでもう、タンクーガーのロボットは動けないはずだ。

「おのれぇ~い!!! こうなったら、ゲゲゲッペルンの出番だ!!!」

 タンクーガーの大声が外まで聞こえたと思ったら、工場の大きなシャッターがゆっくりと大きな音を立てながら開いて行く。
 すると、中から銃を構えた戦車のような魔神が姿を現した。あれがゲゲゲッペルンか!

「お前たちもこれで終わりだぁー! ファイヤー!!!」

 うわぁ! ゲゲゲッペルンがこっちに一斉射撃を仕掛けてきた。

「ワタル、ひとまずあの岩陰に逃げるぞ!」

 先生の後に続いて、ぼくとヒミコも近くにあった岩陰に避難をした。

「ニャハハハハ! 花火みたいだね~!」
「喜んでる場合じゃないだろっ!?」
「ワタル、ここは龍神丸の力を借りるしかあるまい」
「わかった!」

 ぼくは勢いよく勇者の剣を引き抜いた。

「龍神丸―――――――――っ!!!!」

 その掛け声とともに、勇者の剣を空へと突き上げる。

「おおおおおーーーーーーっ!!!」

 龍神丸は力強い雄叫びを上げ、ぼくの前に現れた。
 そしてぼくはいつものように両手を広げ、龍神丸に乗り込んだ!

「龍神丸、ぼくと一緒にアイツを倒そう!」
「おう!」
「ファイヤータックル!!!」

 タンクーガーのやかましい声が聞こえたと思ったら、ゲゲゲッペルンが勢いよく龍神丸にタックルを決めた!

「うあああああああああー!!!!!」

 吹っ飛ばされた龍神丸は、背後にあった岩に激突してしまった。

「大丈夫、龍神丸!?」
「なんのこれしき……!」
「まだまだぁー!!!」

 ゲゲゲッペルンは再度、龍神丸に猛スピードで突進してくる。

「龍神丸、ジャンプだ!」
「おうっ!」

 ぼくの声を受けた龍神丸は間一髪のところで、ゲゲゲッペルンの突進を避けてみせた。

「喰らえ、ミサイルファイヤー!!!」

 今度は、ゲゲゲッペルンがミサイルを撃ってきた!

「龍神丸、剣だ!!!」
「おう!」

 龍神丸が飛んできたミサイルを剣で真っ二つに斬った。

「なぁにぃ!? だったら、またファイヤータックルだ!!!」

 ゲゲゲッペルンのキャタピラがうなりを上げ、龍神丸に向かってくる。

「気を付けて、龍神丸!」
「任せろ、ワタル!」

 と、ぼくたちが力強く構えたはいいものの……ゲゲゲッペルンのスピードが突然落ちて、龍神丸のだいぶ手前で停止してしまった。

「あれ? どうしたのかな……?」

 ゲゲゲッペルンが慌てたようにその場でジタバタと動いている。

「し、しまった……燃料切れだぁ~!!!」

 ハッキシ言って、めちゃんこラッキーだぜ!

「今だ、ワタル!!!」
「よし、龍神丸!!!」

 ぼくは頭上に勇者の剣を掲げた。

「必殺、登龍剣 ――――――っ!!!」

 龍神丸がぼくと一緒に剣を振り下ろして、ゲゲゲッペルンを真っ二つに斬り裂いた。

「やられて、飛び出て、ファイヤーーーーーーーーーーー!!!!」

 ぼくたちは見事に、ゲゲゲッペルンとタンクーガーをやっつけた!

EXマン,ワタル,龍神丸


 戦いが終わって、シュワワ村の人たちがラー湖の畔に集まっていた。
 今回の事件を起こしたタンクーガーは目を覚ますと、先ほどまでの迫力はすっかり消えて大人しいおじさんに戻っていた。

「悪かった……また迷惑をかけてしまったな」
「ねぇタンクーガー、もしかしてどこかで黒い霧に出会わなかった?」
「ああ。だが、なんでそれを……!?」
「やっぱりか! どうりでまた悪いヤツに戻ってると思ったよ」
「あの黒い霧に飲み込まれて、自分の中に隠れていた独占欲が大暴れしたんだ。それで、気が付いたらこんなことに……」
「なにか、見なかった……?」
「いいや……ただ黒い霧の中に不気味な声がして、ドバ……なんちゃらと」
「ドバなんちゃら? この前のシュワルビネガーは『ズダー』って言ってたのに」
「ワタルよ、やはり黒い霧の中にはなにかが存在するようだな」
「うん……やっぱり早く調べないといけないね」

 そこに、ヒミコがバカでっかい木箱を手にやって来た。

「どっこいしょーーーーーーっ!」

 どーん!と置かれた木箱の中には、タンクーガーが工場で製造した聖水入りのペットボトルがびっしりと並んでいた。
 集まっていた村の人たちも、それを見てなにやらざわついている。

「はいなのだー!」

 ヒミコは颯爽と村のみんなにペットボトルを配り始めた。

「これ……タダでもらっちゃっていいの?」

 先ほど出会った、村の女の子が不安そうに尋ねた。

「もっちもっちろん!」

 ヒミコの言葉を聞いた女の子は、安心してペットボトルを受け取った。
 ぼくも受け取ったペットボトルの蓋を開けると、プシュ!っといい音がした。

「この聖水、ハッキシ言ってめちゃくちゃうまそうだぜ!」
「よーし、それでは乾杯の音頭をこの剣部シバラクが……」
「かんぱーーーーーい!!!」

 ヒミコの元気なかけ声に続いて、村のみんなも元気にペットボトルを頭上に掲げた。

「そ、そんなぁ~!」

 ぼくもラー湖の聖水を飲んでみたら、これがうまいのなんのって!
 すると、なんだか体の周りが一瞬だけ光った気がした。

「シュワシュワワ~なのだ!」
「なるほど、なにやら力がみなぎってくるではないか」
「先生、ヒミコ、これで準備はオーケーだね!」

 聖水が自由に飲めるようになったし、これできっとシュワワ村の人たちはもうケンカをしないで済むはずだ。

「それじゃあ行こう、創界山へ!」

 ぼくたちは村のみんなに別れを告げて、黒い霧の漂う創界山へと向かった。
 あっちではどんなことが待ち受けているのかわからないけど……早くみんなを救ってみせるぞ!

(つづく)


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著者:小山 真


次回5月1日更新予定


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