【第14回】魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸

魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸

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第7話「メッセンジャーはダレなんじゃ?」Bパート


EXマン,魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸


「ここからは少しだけ、ワタルくんをかっこよく助けてくれた虎王さんの方を見てみたいと思います。レッツ、ゴー!」

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 オレ様は邪虎丸に乗り、ビルからビルへと飛び移っていた。
 なんとしても、あのふざけた赤い魔神はぶっ壊してやる!

 ―――― ダダダダダダダダダッ!

 下の方からもの凄い音がして、弾丸が一斉にこっちに向かって来た。

「よけろ、邪虎丸!」

 邪虎丸は飛んで来た弾丸をヒラリとかわし、隣のビルの屋上に飛び移った。

「貴様らも、あの小僧の仲間か!」

 さっきの赤い魔神が、空を飛んでオレ様たちの前にやって来た。

「逆らうヤツには容赦せんワイ! セカンドガンセカンドでスクラップにしてくれるワイ!」

 フンッ、不意打ちとは卑怯なヤツだ。

「オレ様に牙をむいたことを後悔させてやるっ! チェーンジ、タイガー!!!」

 オレ様は邪虎丸を虎の姿に変形させて、空中にいるセカンドガンセカンドに飛び掛かった。

「ぬぅ……!!!」

 セカンドガンセカンドは生意気にも、邪虎丸自慢の爪攻撃をすんでのところでかわしやがった。
 だが、これでオレ様たちの実力は市長のヤツもわかったはずだ。

「おのれぃ、ワイは市長であるぞっ! 偉いのであるぞっ!!」
「フンッ、そんなに偉いんだったらオレ様に勝ってみやがれ!」
「ぶぬぬぅ! こうなったら、ヘルコプター改を呼んでやるワイ!!!」

 オレ様の背後から二体のヘリコプターみたいな魔神が飛んで来て、セカンドガンセカンドの両隣りに並び、腕のマシンガンを構えた。

「ブヘヘヘヘ! これで3対1だワイ!」
「チッ、数が増えたくらいで調子に乗るな!」
「見るがいいワイ、フォーメーションYっ!」

 ワーイファーイの指示を受けたヘルコプター改たちが、セカンドガンセカンドと一緒にオレ様を三方向から取り囲んだ。

「これは!」
「処刑を始めるワーイ!」
「くっ……!」

 三体の魔神が邪虎丸に向けて一斉射撃を始めた。
 邪虎丸が受けている痛みが、オレ様に伝わってくる。
 さすがの邪虎丸でも、こんな攻撃を受け続けたら――

「とーらちゃーーーん!!!」
「……ヒミコ?」

 オレ様が空を見上げると、ヒミコの乗った幻神丸が空中で幻武手裏剣を放ったのが見えた。

「なんなんだワーイ!」

 鋭く飛んで来た幻武手裏剣が、オレ様を取り囲んでいたセカンドガンセカンドたちを見事に蹴散らした。

「たっだいまー!」

 幻神丸が邪虎丸の背後で見事に着地した。

「ヒミコ、どこに行ってたんだよ!?」
「ニャハハハ! めんごめんご」

 まったく……さすがはオレ様の嫁だ、ヤバい時には頼りになるぜ!

「まだ処刑は終わってないワイ!」

 セカンドガンセカンドたちが突然オレ様たちの目の前に現れて、また連続射撃を浴びせてきた。

「しつこいヤツめ……っ!!!」

 こいつは思った以上に厄介な戦いになりそうだぜ……!

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 ぼくは虎王たちを追うように、ビルの空中庭園へとやって来た。

 ―― ダダダダダダダダダ!!!

 激しい銃声がして空を見上げると、立ち並ぶビルの隙間に魔神たちが飛び交うのが見えた。

「虎王! ヒミコ!」

 邪虎丸と幻神丸が凄い数の弾丸を受けながら、なんとか逃れようと必死に動き回っている。
 このままじゃ虎王たちが危ない……

「よーし、ぼくも!」

 ぼくは咄嗟に七魂の剣に手をかけた。

「……っ!」

 そうか、今は龍神丸を呼べないんだ。
 それじゃあぼくは、なんにも出来ないっていうの……!?

「ワタルくーん!」
「え……っ!?」

 ぼくが声のした方へ振り返ると、メルが嬉しそうにこちらへ向かって走って来た。
 そうか、ここはメルの住んでるビルだったんだ。

「メル……!」
「手紙、書けたよ! これをお母さんに……」

 いけない、今は邪虎丸たちが戦ってる真っ最中だ!

「危ないメル、家の中に……っ!!!」

 ぼくがメルに駆け寄ろうとした瞬間、セカンドガンⅡが放ったガトリングガンの流れ弾がメルの背後に立つ壁にさく裂した。

「きゃああああーっ!」
「メルー!!!」

 爆風にあおられて倒れたメルの手元から、手紙が空へと舞い上がっていく。
 ぼくはすぐにメルのところへ駆け寄った。

「大丈夫っ!?」
「手紙が……っ!」

 メルとぼくが上空へ舞った手紙を見上げると、壊れた建物の壁がガラガラと崩れ、大きながれきがこちらに向かって落ちてきた。
 いけない……このままじゃふたりとも下敷きになっちゃう!

「メル、ぼくにつかまって!」
「え……!?」

 ぼくは慌ててメルを抱きかかえ、ドローンブーツで急浮上してその場から逃げ出した。

「行くぞおおおおおー!!!」

 次々と迫って来る大きながれきをなんとかよけながら、空へと向かって行った。

「ワタルくん……!」

 メルの体がかわいそうなくらいに震えてる。
 きっと怖くてしょうがないんだ。

「大丈夫、安全なところへ避難しよう!」
「でも、手紙が……!」

 メルが見上げた方を見ると、空中には手紙がヒラヒラと舞っていた。
 あれは入院中のお母さんに向けてメルが一生懸命書いたものだ。

「よし……っ!」

 ぼくはドローンブーツで急旋回して宙を舞う手紙を掴み、少し離れたビルの前に降りた。

「もう大丈夫だよ」
「うん……」

 メルは恐怖に震えながらも、懸命に頷いた。

 ―― ダダダダダダダダダ!!!

 もの凄い銃声が響いて、ぼくはすぐに気が付いた。
 虎王たちはまだワーイ=ファーイたちを倒せてないんだ。
 龍神丸さえいてくれたら、ぼくも一緒に戦えるのに……!

「ワタルくん! 早く逃げた方がいいよ!」

 メルが不安いっぱいの表情で見つめていた。
 心配してくれるのはありがたいけど、ぼくの心は決まっていた。

「メルは逃げて!」
「ワタルくん……?」
「約束する。この手紙はあとで必ず届けてあげるよ!」
「……でも」

 このまま、ふたりを放ってはおけない……!
 ぼくはメルの大切な手紙をカバンの中にしまった。

「行ってくる!」

 戸惑うメルを残して、ぼくは再びドローンブーツで空へ飛び出した。
 ぼくが上昇すると、前方で幻神丸がセカンドガンセカンドに体当たりされて、建物の壁に激突するのが見えた。

「ヒミコ……!」

 ぼくは近くのビルの屋上に降りて、様子を伺った。

「オレ様の嫁になにしやがる!」

 邪虎丸が猛然とセカンドガンセカンドに飛び掛かった。
 だがセカンドガンセカンドはひらりと邪虎丸をかわし、ガトリングガンを構えた。

 ―― ダダダダダダダダダ!!!

「ブヘヘヘヘ! 処刑だワーイ!!!」
「くそおおおおおーっ!」

 邪虎丸に容赦なく弾丸が当たり、激しい火花が散った。
 なんとしても、虎王たちを助けなきゃ!

「たとえ龍神丸を呼べなくたって……絶対に逃げるわけにはいかない!」

 ぼくは自分を奮い立たせるように拳を精一杯握りしめた。

「だってぼくは、救世主なんだから!」

 ぼくは決意を込めて七魂の剣を引き抜いた。

「そうだよね、龍神丸!」

 七魂の剣を見つめていると、不思議と勇気が湧いてくる。
 もしかしたら、龍神丸がぼくに力を与えてくれているのかもしれない。

「ハッキシ言って、ぼくはやる時はやる男……戦部ワタルだああああああー!!!」

 ぼくは七魂の剣を振り上げ、猛然と空中にいるセカンドガンセカンドに向かって急降下した。

「ワタル……」

 その時突然、空を飛ぶぼくのところに龍神丸のあたたかい声が聞こえて来て、全身が光に包まれた!

(つづく)


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著者:小山 真


次回7月10日更新予定


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