【第22回】魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸

魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸

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第11話「ご存知! さすらいの救世主!!」Bパート


EXマン,魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸


「アタタタタタターッ!!!」

 ギューテンカクが放つ薙刀の連撃が、拙者に容赦なく襲い掛かった。

「ぐぬぬぬぬぅ……!!!」

 なんという力だ……これでは受けるだけで精一杯でござる!

「アタタタタタターッ!」

 拙者の体がじりじりと後方に押しやられていく。

「くぅ…………っ!」
「それぃ!!!」

 ギューテンカクの猛烈な一撃を受け、拙者の体は大きく飛ばされた。

「うわぁ!!!」

 拙者はそのまま勢いよく地面に叩きつけられる。

「くぅ……おのれぇ!」

 全身に痛みが走り、立ち上がろうにも時間がかかる。
 この勝負、さすがに分が悪すぎるか……

「救世主殿!」
「ん!?」

 拙者が振り返ると、剣乃介殿が涙を流しながら赤龍の刀を差し出していた。

「もうこの刀を渡して逃げましょう!」
「バカもの! それはお父上から託された大事なものではないか!」
「で、ですが……とてもかなう相手では!」
「言ったはずだ……それでも武士は、戦わねばならぬ時がある!」
「救世主殿……っ!」

 涙にぬれたまなこを大きく開き、剣乃介殿は拙者を見つめた。
 その視線に背中を押されるように拙者は地を蹴り、ギューテンカクに向かって駆けだした。

「ええい!!!」

 拙者はギューテンカクの頭上へ飛び上る。
 あとはこの二刀を、こやつの頭に叩き込むまで!

「野牛シバラク流、バツの字斬り!」

 拙者は渾身の力を込め、ギューテンカクに刀を振り下ろした。

「そんなの無駄だしぃ!」

 ――ガキーン!!!

「うわあああああー!」

 拙者は力で勝るギューテンカクに弾き飛ばされてしまった。

「ぐああ……っ!」
「ぶはははは! ジャスト・ミートだしぃ!」

 ぬぅ、今の一撃で意識が遠のいて……

EXマン,魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸


 ――ドカーン!!!

 ぼくたちが塚原道場の前に着いたとたんに、大きな爆発音がした。

「見ろ、ワタル!」

 虎王が慌てた様子で門の奥の方を指さすと、そこには武者のような魔神が動いていたんだ。

「あれもベンケー一味のヤツらか!?」

 もしかしたら、赤龍の刀を奪いに来たのかも!

「みんな急ごう!」
「あいあいさー!!!」

 ぼくたちが門を抜けるとそこには、大きな中庭が広がっていた。

「あれは!」

 武士のような魔神の前で、刀を持った赤い着物姿のお侍さんが倒れて……

「って、シバラク先生!?」
「おっさんだ!」
「シバラクもここに来てたのか!?」

 ぼくたちが驚いていると、小さな男の子が泣きながら先生に駆け寄るのが見えた。

「ぶわーっはっは! やはり、ミーのギューテンカクの力にはかなわぬしぃ!」

 ギューテンカクから男の大きな声が響き渡る。
 とにかく先生たちを助けないと!

「救世主殿……!」

 さっきまで泣いていたはずの男の子の目が突然、凛々しく輝いたように見えた。
 男の子は倒れた先生を守るように前へ出て、赤い刀を構えた。

「小僧、ミーにその刀を渡すしぃ!」

 ギューテンカクは刀を構えた男の子を威嚇するように睨みつける。
 それでも男の子は涙を流しながら、必死に首を横に振った。

「オーノー! ユーも痛い目にあいたいのか!?」
「痛いのは怖い。だけど、戦わなくちゃいけないんだ!」
「バカなこと言ってないで刀を渡すしぃ! そのカバと一緒にゴートゥヘブンにしてやるぞ~?」
「救世主殿は……私が……」
「パードゥン?」
「私が……守る!!!」

 ――カァッ!

 男の子の全身から突然、真っ赤なオーラのようなものが立ち昇る。

「あれは!」

 男の子のお尻には龍の形をしたアザがあり、燃えるように赤く輝いていた。

 ――ドクンッ。

 ぼくの胸の中で、なにか強い想いがこみ上げた気がした。
 ひとりで魔神に立ち向かったあの『勇気』、そして先生を守ろうとしたあの子の『想い』に応えたい!

 ぼくはすぐに少年のところに歩み寄った。

「くぅ……っ!!!」

 赤い刀を振り上げた男の子の頭に、ぼくはそっと手を置いた。

「先生を守ってくれてありがとう。あとはぼくに任せて」
「え……?」
「大丈夫、キミの想いはぼくが受け継ぐから」

 男の子に代わって前に出たその時、ぼくの身体は突然真っ赤な光に包まれた!

(つづく)


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著者:小山 真


次回9月25日更新予定


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