【第27回】魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸

魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸

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「ぼくたちは三つ目の龍神丸の欠片を探して、ゴーストタウンという不気味な町へたどり着いた。すると、一緒にいた虎王とシバラク先生が突然いなくなっちゃってたんだ。ぼくとヒミコで町の中を探していると、たくさんのこわ~いオバケたちが現れた! ……と思ったら、オバケたちはみんなゲッソリしてたんだ。実は今、ゴーストタウンにはドロロンパという悪いオバケがいて、みんなを朝から晩まで驚かせているらしい。それじゃあ、安心して寝ることだって出来ないよね。ぼくもオバケは怖いけど、このまま困ってる街のみんなをほっとけない!
 そこで、満月の夜にドロロンパが姿を現すという『月下の館』に向かったんだけど、思った以上に不気味な建物で、やっぱり怖くなってきちゃったかも……
 ハッキシ言って、今日もおもしろカッコいいぜ!」

第14話「ドロロンパでオドロンパ!?」Aパート


 ――ギイイイイイイ~……バタンッ!

「うわぁ!!!」

 玄関の扉が閉まる大きな音に反応して、ぼくは飛び上がってしまった。

「キャハハハ! オバケ屋敷みたいだね!」
「ヒミコ、怖くなるようなこと言わないでってばぁ~!」

 館内は窓から差し込む月明かりがわずかに照らしていた。それに、カビのような古臭いニオイがイヤでも鼻をついてくる。
 ヒミコの言う通り、いつオバケが出て来てもおかしくない雰囲気だ。

「な、なぁヒミコ…本当に大丈夫かなぁ……?」
「ニャハハハ! ワタルはこわがりなのだ!」
「どうしてヒミコは平気なの!?」
『ケホホホホ………………』
「ん? この声は……!?」
『ケホホ…ケホホホ……』

 まま、間違いない! 暗闇の中になにかいるっ!!

「どどど、どなたですか~っ!?」
「お前たちは、何者でロンパ……!」

 闇の中に響き渡る声の主を見つけるため、ぼくは必死に目を凝らした。
 すると突然、カウボーイハットにサングラス姿の陽気なオバケが暗闇から飛び出してきた!

「ドロロンパ!!!」
「ぎゃー! 出たああああー!!!」
「ケホホホ、今の驚き顔はケッサクでロンパ!」

 ん? さっき『ドロロンパ』って言ってなかった?
 そうか、こいつが町のみんなを困らせてるんだ!

「キャハハハ! オシャレなオバケさんなのだ!」

 ヒミコが楽しそうに笑ったのを見て、ドロロンパはムムッと口を歪めた。 

「オドロキングであるミーのビックリどっきりサプライズを怖がらないなんて、頭にくるでロンパ!」

 ドロロンパは不機嫌そうにサングラスを外した。

「これが……オドロキング?」

 ドロロンパの素顔は、ぼくが思ってたよりもずっと可愛かった。
 目がキラキラ輝いていて、オバケなのに生き生きしてる。

「あれま、かわいい顔だね~っ」

 ヒミコはニコニコ笑って、ドロロンパの白くて丸い頬を指でツンツンした。

「かわいいって言うな!!!」

 ドロロンパは口をぷ~っと膨らませて怒ってる。
 ダメだ。もうどうやっても可愛く見えちゃう。

「な~んだ、驚いて損しちゃったよ」
「んまぁ~! 生意気なコウモリボーイでロンパ!!!」
「コウモリボーイじゃない、ぼくはワタルだ!」

 まぁ、たしかにコウモリの羽は生えちゃってるけど……

「ねぇオバケさん、あちしと一緒に遊ぶのだ!」
「……この娘っ子、話を聞いてないでロンパね」

 あはは……さすがのドロロンパも、ヒミコのリアクションに困ってるよ。

「んじゃ、おにごっこね!」

 ヒミコはお構いなしに大きな虫取り網を取り出し、大きく振りかぶった。

「ン? なにするでロンパ?」
「よーい、ドーーーーン!」

 ヒミコは猛烈な勢いでドロロンパに迫り、

「オバケさんを捕まえるのだー!」
「ひ、ひえええええええ~!」

 ふたりの姿はあっという間に闇の中へ消えて行った。

「これじゃ、どっちがオドロキングかわかんないな」

 ん? ちょっと待てよ。もしかして、ぼくはこんな怖い場所でひとりに……

「おいてかないでええええ~!!!!」

 ぼくは大急ぎで暗闇の中を駆けて行った。進んでも進んでも、そこは暗く不気味な廊下が続いているだけだ。
 両側にずらっと並んだ絵画には、色んな顔をしたオバケたちが描かれている。その目がギロッとこっちを見ていてるような気して、ぼくの全身にゾワッと鳥肌が立った。

「こっち見ないでえええええ~!!!!」

 気が付くと、暗闇の向こう側に大きな階段が見えて来た。
 ぼくは必死になってその階段を駆けあがり、大きな広間にたどり着いた。

「おーい、ヒミコー! どこ行っちゃったんだよぉー!」

 よく見るとこの大広間、すっごく豪華だ。部屋中に金や銀の飾りがあって、天井にはめちゃくちゃ高そうなシャンデリアがぶら下がってる。

「すっげぇ~! もしかして、パーティにでも使う場所なのかな?」
「ドロロンパ……!!!」
「あ! あいつの声だ!」

 ドロロンパの声がした方を見ると、大きな魔神が壁をすり抜けて飛び出してきた。

「うわぁっ!!!!!」

 ぼくは驚いた勢いで尻もちをついてしまった。

「ま、魔神っ!?」
「ケホホホホ! やはり、サプライズが成功した瞬間はたまらないでロンパ!!!」

 金色のドクロが重なったようなその魔神は、不気味な視線をぼくの方へと向けてきた。

「この魔神はスケルバット14Kイチヨンケー! オドロキングであるミーの親愛なるブラザーなのだ!」

 町のみんなが言ってたドロロンパの魔神って、これだったのか!
 あれ? ヒミコはドロロンパを追いかけてたはずじゃ……?

「おい、ドロロンパ! ヒミコはどうしたんだ!」
「ヒミコ? あのやかましい娘っ子のことでロンパ? あんまりしつこく追いかけて来るから、お仕置き部屋に閉じ込めてやったでロンパ!」
「なんてひどいことをするんだ! ヒミコを返せ!」
「やかましい! ついでにコウモリボーイも、お仕置きしてやるでロンパ!」

 スケルバット14Kが猛スピードで、ぼくに向かってきた。

「よし、だったらぼくも龍神丸で……!」

 ぼくは背負っていた七魂の剣に手をかけ、ハッとなった。
 龍神丸はまだ呼べないんだ!

「ケホホホ! 泣くまで驚かしてやるでロンパっ!!!」
「ちょ、ちょっとたんま!!!」

 ぼくは必死になって大広間の中を逃げ回った。

「うわあああああああ~っ!!!!!」

 スケルバット14Kはコウモリの羽のような両手を動かし、バタバタと大きな音を立てた。

「ドロロン! ドロロン! 驚け驚け~!」
「やーめーてええええー!!!」
「キャハハハ…………!」

 間違いない、遠くの方でヒミコの笑い声がした。

「ヒミコ、どこにいるの!?」

 スケルバット14Kから逃げながら、必死に辺りを見回したその時――

「どっかーーーーーーーーーん!!!」

 ヒミコの乗った幻神丸が大広間の壁をド派手に突き破り、ぼくの前に現れた!

(つづく)


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著者:小山 眞


次回2月19日更新予定


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