【第28回】魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸

魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸

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第14話「ドロロンパでオドロンパ!?」Bパート


「ワタル、たっだいまーっ!」
「ヒミコ、無事だったんだな!」
「んなバカな! ミーは頑丈な鍵をかけて閉じ込めたはずでロンパ!?」
「忍法・カギパンパカパーン!の術なのだ!」

 幻神丸がその手に持った巨大な南京錠をドロロンパに見せた。

「くう~~!! こうなれば……もう一度、お仕置きしてやるでロンパ!」

 スケルバット14Kはターゲットを変え、今度は幻神丸に襲い掛かった。

「ほいっとな~!」

 幻神丸はヒラリと宙を舞って、スケルバット14Kのタックルをかわした。

「なに~っ!?」

 スケルバット14Kが勢い余って、大広間の壁に激突する。

「ロンパああああ~!」
「ニャハハハ! おーばけさんっ、こっちら~!」
「ぐぬぬぅ~……見てろでロンパ!」

 スケルバット14Kが不気味に微笑んだと思ったら、ドクロが積み重なって出来ていた胴体が、上下ふたつに分かれてしまった。

「あれま、こわれちった?」
「違うよ、ヒミコ! 分身したんだ!」
「ケホホホホ! これで2対1になったでロンパ!」
「キャハハハ! それなら、あちしも分身するのだ!」
「ん? なに言ってるでロンパ?」
「ヒミコミコミコ、ヒミコミコ……忍法、ありゃりゃおどりの術~!」
「なんだ? 幻神丸が……!?」

 幻神丸はくるくるとその場で踊り始めると、次々と分身していった。

「どど、どうなってるでロンパ~っ!?」

 部屋の至る所で何体にも分身した幻神丸たちが踊り続けている。

「ありゃりゃー! こーりゃりゃー! どっこいな~!」

 窓から差し込んだ月明かりに照らされ、大広間の中はまるで舞踏会みたいな雰囲気になった。
 くるくる回る幻神丸たちを見て、スケルバット14Kは目を回し始めた。

「ひぇ~、ぐるぐるでロンパ~!」
「今だ、ヒミコ!」
「ありゃりゃ~っと!」

 ヒミコの元気な声をきっかけに何体もいた幻神丸は一瞬で一体に戻り、スケルバット14Kに強烈な回し蹴りを決めた。

「ドロロ~~~ン!!!」

 スケルバット14Kは窓を突き破ると、外に見える大きな中庭まで吹っ飛んていった。
 ぼくは急いで中庭を見渡せるテラスに出て、ヒミコに声をかける。

「よし、ヒミコ! 一気にあいつを倒すんだ!」
「ほいほいさー!!!」

 幻神丸は颯爽と窓から飛び出して、スケルバット14Kの近くに着地した。

「このヤンチャ娘め……もう許さないでロンパ! ドロロ~ンパ!!!」

 ドロロンパのひょうきんな声が高らかに響き渡ると、スケルバット14Kの体がみるみる透けていき、あっという間に見えなくなってしまった。

「あれま! きえちった!?」
「そうだ、ドロロンパの魔神は自由自在に姿を消せるんだ!」
「ドロローンパッ!」

 次の瞬間、突然ヒミコの乗った幻神丸が勢いよく真横に吹っ飛んで、洋館の壁に激突した。

「ヒミコーっ!」
「ケホホホホ! サプライズ大成功でロンパ!」

 満月が雲に隠され夜の闇が広がる薄暗い中庭に、ドロロンパの嬉しそうな声だけが不気味に響き渡る。
 瓦礫の中から、幻神丸が素早く立ち上がった。

「かくれんぼ! かくれんぼ!」

 ヒミコの声は相変わらず元気いっぱいだ。

「遊びは終わりでロンパ!」

 ――ガキーーーーーーン!!!
 幻神丸は再び目には見えない攻撃を受けて、中庭の中央にある大きな石像に叩きつけられた。

「あちちち。こりゃあ、ビックリなのだ!」
「ケホホホホ、サプライズ大成功! これがオドロキングの実力でロンパ!」
「大丈夫か、ヒミコ!」
「キャハハハ! おもろいおもろい!」

 倒れていた幻神丸はひょいっと跳ね起きると、両手で顔を覆った。

「オバケさん、10数えるよ~! いーち、にーーい、さーーーん……」
「ケホホホホ! 本当にかくれんぼをやってるつもりでロンパ?」
「はーち、きゅーーう、じゅーーーう!!!」

 ヒミコが数を数え終わると、幻神丸はおもむろに背中の幻武大手裏剣に手をかけ、誰もいない空中を見上げた。

「無駄でロンパ! 透明になったスケルバット14Kに、そんなもの当たるわけがないでロンパ!」
「オバケさーん! もーーうーーーいーーーーかーーーーーい!?」

 ヒミコの問いかけが、中庭全体に響き渡った。すると、暗闇の中からドロロンパの余裕たっぷりの返事が返ってくる。

「ケホホホホ! もーういーよーーーー!!!」

 幻神丸はドロロンパの声がした方角へ瞬時に振り向いた。

「へ!?」

 そうか、ヒミコは声で相手の居場所を見つけたんだ!

「オバケさん、みーーーーーっけ!」
「ゲゲゲでロンパ……!」

 幻神丸が勢いよく幻武手裏剣を空へと投げ放つ。
 手裏剣は大空で弧を描くと、空中で目には見えない『なにか』に直撃した。

「ドロロンパ~~~!!!!!」

 姿を見せたスケルバット14Kの額には、幻武手裏剣が突き刺さっていた。

「やったな、ヒミコ!」
「キャハハハ! かくれんぼも、あちしの勝ちなのだ!」

 ヒミコの明るい笑い声が、中庭に響き渡る。

「まだ終わってないでロンパ!!!」

 スケルバット14Kは地上に降り立つと、額に刺さった手裏剣を強引に自分の手で引き抜いた。

「あきらめろ、ドロロンパ! もうみんなを驚かせるのはやめるんだ!」
「黙れ、コウモリボーイ! ミーの本気は、こんなもんじゃないでロンパ! 続きは、ドロロンタワーで相手してやる!」
「ドロロンタワーだって?」
「ケホホホホホホ……!!!」

 ドロロンパの笑い声と共に、スケルバット14Kは煙のように姿を消してしまった。

 

 しばらくしても、ドロロンパは出てくる気配がない。
 どうやら逃げられちゃったみたいだ。
 けど、このまま放っておくわけにはいかない。町のみんなにドロロンパを懲らしめるって約束したんだ。

「ヒミコ、今すぐドロロンタワーに行こう!」
「はいなー!」

 ゴーストタウンのみんなのためにも、ぼくたちが必ずやっつけてやる! 待ってろよ、ドロロンパ!

(つづく)


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著者:小山 眞


次回2月26日更新予定


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