【お知らせ】「エンタングル:ガール 舞浜南高校映画研究部」単行本化決定!
全面改稿・大幅加筆!連載版とは大きく異なるストーリーとなる、新しい『エンタングル:ガール』!
全面改稿・大幅加筆!連載版とは大きく異なるストーリーとなる、新しい『エンタングル:ガール』!
「あなたの映画がこの量子世界の均衡を保っているのかもしれない」――舞浜南高校映画研究部とカミナギ・リョーコの夏がいま終わる。
「夏って象形文字なんだよ」そう語っていたチホはもういない。撮影が終わり、カミナギ・リョーコは編集を始める。夏のかたちを探して。
すべて量子コンピュータ内の幻だとしても――再始動する舞浜南高校映画研究部。コンテストの〆切が迫る中、この夏最後の撮影が始まる。
「世界を夏で覆う」カノウの思いを知ったカミナギは再びカメラを持つ。映画を撮る理由はわからない。それでも映研のみんなと夏を撮りたい。
「じゃあもう映画作りはおしまいかな?」答えを探して悩み続けるカミナギの前から、幼なじみは去ってしまう。戻ってくると言い残して――
「あたしたち、去年あの映画を作ったんだね」前回のループの記憶を共有していくカミナギとアマネ。ふたりはチホがいないことに気づく。
「夢から抜け出たって、もう世界は滅んでいるんだよ!」アマネと撮影をするカミナギ。しかし部室に戻るとアマネに異変が――
「エンタングルメントエントロピーに囚われないで」少女の言葉からカミナギは逃げる。わたし、どうして映画を撮ろうとしていたんだろう。
カミナギは時間のループに気がついた。世界も自分も量子コンピュータが計算する幻なのだ。情報体になってもなお映画を撮る意味とは――